企業のリストラの影響によって、配属が変わる例が多いようです。不要な部署を閉鎖し、新しくIT関連の部署を強化したり。また、不採算店の強化のため転勤があったり。特に株主総会が終わったこの時期は人事異動が多いようですね。人事異動といってもその種類は色々あります。
【配置転換】
勤務地は変わらないが、職務内容が変わるもの。
【転勤】
勤務地の変更を伴うもの。
【出向】
自社に籍は置いたまま、他社に勤めること。
【転籍】
自社から勤務先の会社に籍を移して勤めること。
下に行くほど、就業環境は変化することになりますが、労働者にとって人事異動は重要な事項となっるため、その扱いは特に慎重を要します。
バブルの時期では企業戦士は会社に言われるままに働いてきました。そのためには家庭を犠牲にすることもありました。しかし、今はいかに人間らしく生きるかが問われる時代です。むやみな転勤は許されません。
家庭があり子供が一番父親を必要とした時期に、単身赴任のため家にいられなかった某社の社員が会社を訴えましたね。判決はまだ出ていませんが興味深いところです。法律の解釈の方向では、必要性が無い転勤は無効とする判例があります。さて、どうなりますか。
それを受けて早くも転勤を極力無くす方向に向かっている会社も多いです。この背景としては、企業の戦略として、より深い技能を持った人を養成しようとする動きです。今まではどちらかというとオールラウンドな何でもできる人を企業では優先してきました。ところがそれでは他社に勝てない。そこで、より深く技能を持ったスペシャリストを養成する動きです。そのためには勤務地や勤務内容はむやみに変えない方が良いということなのです。
尚、期間の定めのある雇用契約の場合は勤務地が明記されています。したがってむやみやたらと転勤は命じることができないのが常識となっています。業務命令としてどうしても転勤させざる得ない時は、その分手当てを上乗せするなどの配慮が必要です。