スイートペッパーとはピーマンのことです。ペッパーですがコショウの仲間ではなく唐辛子の仲間。欧米では、ピーマンはパプリカとしてもっと熟してから食べるので、甘くおいしい食べものとして定着しています。まだ色の青いうちから食べるので当然まだ苦く、子供の嫌いな食べ物ナンバーワンの地位を長く保っています。
私も子供の頃、ピーマンが嫌いでした。なんか苦くておいしくない。食わず嫌いではなかったと思います。あるとき、友達の家に行って遅くなり、晩御飯をご馳走になることになりました。ところがその日の献立はピーマンの肉詰め。げ!と思いましたが、その友達の家はおかずは一種類しか作らない主義なので目の前にはピーマンの肉詰めしかない。しょうがなくて、それを食べたんですわ。そしたらうまかったのね。
その友達のお母さんは料理が上手なことも手伝っていたと思うのですが、しかし、所詮好き嫌いなんてこんなもの。自分が嫌いだと思い込んでいると思わぬところでおいしいものを見逃すかもしれません。嫌いだと決め付けないほうがいいですね。
さて、ねずみはピーマンが嫌いか?
もともと苦味というのは、生物にとって毒であるという警告にあたります。したがって、苦いと感じたらその食べ物は食べなくなるのが普通です。ねずみだって苦いものは嫌いなようで、当然ピーマン嫌いなようです。
ところが、ピーマン嫌いのネズミに、少しでもピーマンを食べたら砂糖水を与える実験を繰り返すと、ピーマンを食べるようになる。その後は砂糖水を与えなくてもピーマンを食べるようになってしまうのですね。
これはピーマンを食べても害が無いとわかることと、そしてピーマンを食べることで食べ物の種類が増えた方が生物の種としてはより「存続」しやすい好条件になるわけです。まさに生きていく上での知恵といえるものです。