クルマや船に乗ったり、あるいは乗った飛行機が揺れたりすると人間は乗り物酔いを起こします。これは目の前にある視覚情報と、耳の中にある三半規管の感じている平衡感覚の情報がずれてしまい、脳がパニックをおこして酔いが生じるのです。
したがって、乗り物酔いを起こさない方法は、
・視覚情報と平衡感覚情報をずらさないこと
・ずれても脳がパニックを起こさないようにすること
があります。
前者は、視覚情報をなるべく簡素化する。つまり、あちこち見ないようにすることです。人間は目が回ると眼球がめまぐるしく動きます。それを起こさないように眼球を固定すると酔いが和らぎます。具体的には遠くを見る、などです。バレリーナやフィギュアスケートの選手がスピンするときは、一点を見つめ眼球を固定するので目が回らないのです。
後者は、慣れることです。たまにしか船に乗らないサンデー釣り人は釣り船に乗って時化ますと酔いますが、船頭さんは酔いません。これは船頭さんが酔いにくい体質なのではなく、毎日乗っているので慣れているからです。
乗り物酔いは一種のストレス状態なので、薬でも緩和することが出来ます。高ぶった神経がストレスホルモンを生じさせますので、それを抑える成分を投与すればいいのです。しかし、実際には不安感が強い時ほどストレスホルモンは大量に分泌されるので、安心感を持つことがじつは非常によく効く薬となります。
車や船に乗る前夜は早く寝て、十分な睡眠をとっておき、食事は軽めに、食べすぎや極度の空腹をさける。胃腸の調子を整えて、特に便秘をしないようにする。乗り物の中では動きの早い近くの景色ばかり見ずに遠くの景色を見たり、おしゃべりをするなどゆったりとした気分で過ごす。あと落ち着く効果のあるペパーミントとレモンのアロマテラピーも効果的なようです。
こう言うことに気をつけていれば、乗り物酔いに悩むこともありません。
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