えひめ丸と原潜グリーンビルが衝突沈没した事故でアメリカの対応が注目されています。ちなみに森総理の対応も問題となっていますがこちらはどうだっていい。どうせろくなもんじゃないですから。
さて、事故を調べるうちに、事故当時に民間人が操縦レバーを握っていたとして問題になり、アメリカではその民間人の氏名公表に踏み切ったようです。ですが、ここでちょっと待ってもらいたい。
民間人が操縦していたという事実に皆さんは驚かれるでしょうが、船の場合は船長の責任で誰にでも操縦させられるのです。もちろん操縦できる乗組員にさせるのが常識ですが、民間人であっても原則は構わない。
自動車の場合はそうはいきませんよね。免許を持ったものが運転し、責任は運転者が負います。助手席に免許保持者がいてその指示で無免許者が運転するということはできませんが、船の場合はそれができるのです。(すべてではないと思いますが)
船の場合は、何日も航海します。その間ずーっと船長が操舵するわけにはいきません。そこで船長に代わって他のものに操舵を命じます。誰に操舵させるかはもちろん有資格者にさせます。これは船の規模航海の規模によって異なります。小型船舶の場合は無免許者でもOKです。むしろ海の上では緊急時など無免許者に操縦させることが多いのも事実です。その場合でももちろん船長の指示が必要です。
で、今回の事故の場合は基本的にアメリカ海軍の法律に基づくと思いますが、民間人が船長の命令で操舵していたとしたら、やはり責任を追求されるのは船長です。民間人に罪はありません。どうも民間人に矛先が向きそうな感じなので一言言っておきたいと思います。
あと、海難事故があった場合、船長は人命の救助並びに船舶及び積荷の安全確保のために必要な手段を尽くすことが厳しく義務付けられており、船内にいる人すべての退避が確認した後でなければ船を離れる事はできません。そう言う意味では、えひめ丸の方の大西船長も責任を問われる立場にあります。船内に人が残っていたわけですから。船長は船と運命を共にするというのは現実問題として本当のことなのです。
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