上水は飲み水として使う水です。下水は使用済みの水です。そしてその中間的な存在の水が「中水」です。中水は飲むには適しませんが、トイレや洗浄、冷暖房用には十分使える水です。
上水といわれる飲料水は水質検査がされ、一定の基準をクリアしていなければなりません。透明度が高く、臭いもなく、有害な物質などの混じっていないことが必要です。
しかし、そのような上水をトイレの洗浄に使っては少々もったいない話です。そこで、オフィスビルなどではトイレや厨房から排水された下水を建物内で浄化して、飲料以外に使う「中水」という水をつくります。これを洗浄用の水などに再利用するのです。
最近のオフィスビルは、一定以上の規模になると建物内に水を処理するプラントの整備が義務づけられています。1000人規模のビルでは1日に使うトイレの水は約100トン。この水を中水に加工すれば半分は再利用できます。
それだけでは足りないので、ビルには雨水をためて中水に利用する設備も設置されています。この設備では屋上の広さが1000平方メートルのビルで梅雨時には1ヶ月150トンの水が見込めます。
ちなみにトイレの洗浄水は、男性の一回の小用でだいたい5リットル、大の場合でおよそ15リットル消費します。トイレの洗浄水に中水を再利用すれば、上水の消費をおよそ半分程度に抑えることができます。
それと同時に下水も処理するので下水量も減らすことができます。貴重な水資源の省資源に貢献しているわけです。
そのうち下水も浄化して上水として使う時代が来るでしょうね。宇宙空間ではもはや当たり前。つまりウンチやおしっこも100%再利用です。うへ。
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