お魚の世界の話です。
熱帯魚にも色々種類がありまして、自分で産んだ卵が下に落ちる前に自分で食べてしまうおバカな魚もいれば、産後一切食事をとらず、つがいで卵の面倒を見る魚まで千差万別です。
なかでもシクリ科(シクリッド)の魚は面倒見がいいのが多く、夫婦で子供の面倒をよくみます。シクリ科の魚のなかにはマウスブリーダーといって口の中に卵を入れて育てる種類の魚もいます。
親魚は産み落とされた卵を口の中に保持して孵化するまで保護し、孵化後も外敵が来ると稚魚を口の中へ入れ保護する、という一風変わった育児方法をとっている魚です。有名なところでは「エジプシャン・マウスブリーダー」。
口の中に入れてしまって間違って食べてしまうことは無いのか、と心配する人もいるでしょうが、間違って食べてしまうことはまずありません。
しかし、環境が変わったり、敵が多く現れた時には、わざと食べてしまうことがあります。これは子供が育つには不適な環境だと親が察知した時に、卵を食べて栄養とし、安全なよりよい環境になった時に再度卵を産めるよう待機するわけです。このような知恵は子孫繁栄のため、そうするように遺伝子の中に書き込まれているのでしょう。
ここでふと思いました。最近多くなっている人間の幼児虐待や殺人。これは親が意図的にやっているのではなく、遺伝子の仕業と考えることはできないでしょうか。親が子供を育てなくなる要因は、今の環境が子供を育てるには不適と遺伝子が判断し、子供が増えないように仕向けている。つまり現代社会は住みにくい環境になっていると遺伝子が教えてくれているのではないでしょうか。