国内最大級の草食恐竜の化石が見つかったとして、兵庫県丹波市では大騒ぎです。(2007年2月28日)
今回見つかったのは、草食竜のティタノサウルス(Titanosaurus)類。Titanoはギリシャ神話の「巨人=タイタン」に由来します。名前は似ていますが凶暴な肉食恐竜でおなじみのティラノサウルスではありません。
見つかった部位は、尾の骨「尾椎」と、尾椎の下にあって動脈を保護する細長い骨「血道弓」。ほかに部位不明の骨が6個。その部位の大きさから、全長は20メートルにも及ぶ巨大恐竜ではないかと憶測されています。
現場では発掘作業が進められていますが、すでにかなりの数が出ており、もしかすると姿そのままの形で化石が発掘されるのではないかと期待されています。そうなると世界的にも珍しい発見となります。
化石が発掘されている現場は1億4000万~1億2000万年前の白亜紀前期の地層。白亜紀はジュラ紀に続く中生代の一時期で、ジュラ紀と同じく気候は温暖で湿度が高いため、生物が巨大に生長した時代でもあります。原始的な裸子植物やシダなどが減少し、被子植物が主流となって進化したのもこの時期です。
時代を席巻したは恐竜に代表される爬虫類ですが、哺乳類もいました。カンガルーの祖先である有袋類から胎盤を持つ生物に進化したのもこの時期。ジュラ紀に恐竜から派生した鳥類も白亜紀に進化し、現在の鳥類とほぼ同じ形態に進化しています。
白亜紀は中生代として今から6500万年前に終わりを迎えますが、この原因とされるのが巨大隕石の地球への衝突。地球上には存在しないイリジウムという物質がこの時代にばら撒かれたことがその事実を物語っています。隕石の衝突は地球を氷河時代へと導き、体温の調節が苦手な恐竜は絶滅へと進むことになります。
しかし、温暖で平和なこの時期(ジュラ紀~白亜紀)に恒温動物の哺乳類や鳥類が進化したということは、来るべき氷河時代を予見していたのでしょうか?不思議なことです。
ちなみに白亜紀の白亜とは白い石灰岩のこと。白亜紀時代の地層が石灰岩でできており白いことから白亜紀というようになりました。何はともあれ、丹波で見つかった恐竜化石はいろいろなことを語ってくれることでしょう。
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