「ゼリー」とはお菓子や料理の名称で、ゼラチン・寒天・ペクチンなど凝固する性質のものを材料に混ぜて固めた冷菓や冷製料理をいいます。しかしここでは「寒天」は「ゼリー」とは別のものとして述べます。
まずゼラチンとペクチンについて述べます。ゼリーとは「凝る、固まる」の意味があり、原料としては動物性のものと植物性のものがあります。動物性のものはゼラチン、これはタンパク質です。植物性のものは果実に含まれるペクチンで、これは酸と砂糖で固まります。ペクチンによる凝固作用はジャムなどに利用されています。
魚を煮るとその残りは冷えて煮凝り(ニコゴリ)になります。これは魚のタンパク質が冷えて固まったものです。ゼラチン由来のゼリーはタンパク質であるため栄養価が高く、滋養食として用いられます。
一方で寒天はテングサなどの海藻を煮て、その煮汁を凍結・乾燥させた食品です。寒天は棒状の物や粉末のものがありますが、それらを煮溶かしてゼリー状にし、羊羹、水羊羹、蜜豆に入っているサイコロ状の物など、菓子の材料に使われます。
寒天は食物繊維でかつ栄養価が低く、ダイエット食品に用いられます。食物繊維は腸壁を刺激して便の滞留を阻止し、またたくさん食べてもカロリーが無いのでダイエットには最適の素材です。栄養価が無いということはカビにくいという事で、写真材料の媒体や水性塗料など幅広い用途で活躍中。
寒天とゼリーは形状が大変よく似ていますが、内容は全く違います。
寒天⇒栄養価低い。食物繊維多くダイエットに向く。
ゼリー⇒タンパク質のため栄養価高い、ダイエットにはならない。
寒天とゼリーの見分け方は、やや難しく、ねっとり歯切れが悪いのがゼリー、するっと歯切れがいいのが寒天です。
あと似たものでナタ・デ・ココ。
このナタ・デ・ココはフィリピン発祥で、原材料はココナツジュース。これをナタ菌で発酵させると表面から繊維が膜状にできてきて、それをサイコロ状に切り取ったものがナタ・デ・ココ。寒天に近い外観ながら、寒天にはない独特の歯ごたえがある食感で人気を博しました。ほとんどが食物繊維なので、これも寒天に負けずダイエット食や特定保健用食品として利用されています。
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