毎年2月11日は建国記念の日とされ国民の祝日とされています。建国とは日本が誕生した日であり、それは初代天皇である神武(じんむ)天皇が即位した日をとっています。「11日」であることが大事なので、体育の日などのようにズれたりはしません。
建国の日は明治政府が決めたようで、それ以前にも神話的に日本は存在しましたが、政府によって正式に初代天皇が決定されたことになります。しかし神武天皇が実際にいたかどうかは定かではなく、神話に近いものがあります。
通説では初代神武天皇から9代開化天皇までは実在が怪しく、実在する最初の天皇は、第10代崇神天皇であるという説が有力です。今上天皇(今の天皇)は125代とされていますがこれは神武天皇から数えてなので、実際には116代目くらいではないでしょうか。
日本書紀によれば神武天皇が即位した日は「辛酉年春正月庚辰朔」となっています。これを暦によって遡ると紀元前660年(辛酉の年)の2月11日(庚辰の日でありかつ朔日)になります。この日は紀元節ともいわれます。
この日をスタートとした暦は皇紀といわれ、第二次世界大戦中も「皇紀は2600年」と歌われ、戦況芳しくなくとも「神風が吹いて日本は勝つ」と国民は信じていたといういきさつがあります。今年2008年は皇紀で言うと2008+660=2668年といなります。
神武天皇を祭神として祀った神宮は奈良県橿原市の橿原神宮(かしはらじんぐう)。明治天皇により明治23年(1890年)に官幣大社として創建されたものです。
なお、神武天皇を「かんむてんのう」間違えて読む人もいるようですが、「じんむ」が正しいです。ちなみに「かんむてんのう=桓武天皇」は50代天皇として実在が確認されています。
【関連記事】
昭和一桁生まれの「ひとりごと」[106]昭和天皇の苦悩