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[275]アスピリン

昔、風邪薬や頭痛薬でピリン系・非ピリン系というのがよく話題になりました。ピリン系の薬は薬害(薬疹)が出るという副作用があるので、非ピリン系がいいというような議論です。

それ以来鎮痛解熱剤や総合感冒薬などはこぞって非ピリン系であることを盛大にPRし販売促進したものです。しかし詳しいことは素人はよくわからないんですよね。テレビで言われるままに、非ピリン系だから体に良いんだ、と単純に解釈していました。

非ピリン系の代表的な薬「アスピリン」は、フランスで1853年に発見され、ドイツの総合化学会社「バイエル」が1897年に合成に成功。以来、世界80カ国以上で解熱鎮痛剤として今でも広く使用されています。

商品名「バファリン」もアスピリン製剤で、一般にもよく知られていますね。フランスでは子供の具合が悪くなるとなんでもかんでもアスピリンを飲ませるといったようなジョークがあると記憶しています。日本でも子供の居る家庭では小児用バファリンを常備しているところも多いでしょう。

アスピリンの薬効は鎮痛解熱以外にも、以前より血が固まるのを抑制する効果があることがわかっていましたが、予防薬は保険が適用されないことと、申請に莫大な費用がかかることが重なって、薬のパッケージに表示されないまま今日にいたっていました。アスピリンは安い薬なので費用をかけては儲からないためです。

それがこのたび血栓抑制剤として厚生省が保険適用の認可を出し、古い薬ですが新たに狭心症や脳こうそくなどの再発を予防する薬として生まれ変わることになったのです。

しかし、薬の副作用は長年研究しなければわからないことも多く、血栓抑制剤としての適量や正しい処方は今後の臨床試験を踏まえ監視していかなければならないと思います。

ちなみに素人考えでは、解熱効果は「バファリン」、鎮痛効果は「イブ(イブプロフェン)」のほうがいいように思いますがいかがでしょう?

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