いよいよ新米が出始めました。関東地方では、まず、「あきたこまち」の新米が出回ります。これを「コシヒカリ」の新米が後を追います。あきたこまちはその名のとおり炊き上がりが真っ白で香りがいいのが特長。秋田美人を彷彿とさせます。
コシヒカリは名実共に日本一の米で、環境に左右されない品質の高さが特長。つまりどこのコシヒカリでもそこそこおいしくできるわけです。新潟のコシヒカリが特においしいとされるのは、主に気温の関係と思われます。一時期コシヒカリと人気を二部するササニシキがありましたが、このササニシキは育つ環境によって味にばらつきが出るため、産地を選ぶ必要があります。もちろんきちんと作られたササニシキは、コシヒカリに勝るとも劣りません。
今年2000年に収穫された米を新米といいます。その時点で1999年に収穫されたものは古米、1998年に収穫されたものは古々米となります。新米がおいしく古米がまずいということは以前より少なくなってきました。これは、新米が取れるとすぐに玄米にし、そのまま低温保存されることにより、品質に変化がないことによります。常温ですと、古米は夏を越すと極端に味が落ちますが、低温保管された米はそういうことはありません。逆に、熟成されるのでしょうか、新米より味わいが深いとも言われます。しかし、香りはやはり新米には敵わないようです。
米は古来よりアジア人類の大事な食物であり、また神聖なものであったようです。米は農神からの授かり物という伝承もあり、筒に入れた白米を振って祈願する「振り米」や、お祓いのときなどは米をまいて魔物をはらう「散米」などは米のもつ霊力を借りようとするものです。
出産するとすぐに炊く「産立飯(ウブタテ飯)」、婚礼のときに供される「高盛の飯」、死者の枕辺に供える「枕飯」は、人生三度の高盛飯といわれます。これも人生最大のイベントに米の霊カを期待したものといえるでしょう。
尚、新人をさしていう「しんまい」は漢字で書くと「新前」。要するに訛って「しんまい」。