「神の国」発言で日本が揺れている。
森首相は「日本の国、まさに天皇を中心とする神の国~」と述べた。「昭和の日」に触れ、「今の天皇ご在位10年、先帝陛下60年のお祝いだとか、ややもすると政府側が若干及び腰になるようなことをしっかり前面に出し~」などとも述べた。
これが問題になっている。確かに一国の首相としての発言とすれば不適当かもしれないし、時代錯誤もはなはだしい。ましてやこう言う人間が首相をしているということも不思議といえば不思議。
しかし、私は12年前の昭和天皇崩御の時を思い出すのであった。昭和64年崩御の前年にあたる昭和63年のこと。昭和天皇の具合が悪いというニュースが流れるや否や、お祝い事お祭りごとはすべて中止となった。それを楽しみにしていた人も多かろう。私のその一人。だからこうして覚えている。毎年恒例の花火大会が中止になった。これはお祝い事ではない。競技大会だ。しかし中止になった。
公共団体や大企業でもどうしても行われなければならない慶事は密やかに行われ、さして重要でない行事は中止となった。何がそうさせるのか?つまり自分では気がついていないが、意識は「神の国」なのだ。天皇様様なのだ。首相だけではない。日本国民、特に行事の決定権を持つような年配者は無意識にアタマがそういう構造になっている。つまり「天皇は神」。世間はなんの疑問の無くおかしな昭和63年が過ぎた。そして昭和64年崩御。
森首相を責める前に自分達の意識はどうなのか?批判しかしない政治家やマスコミ関係諸君、よく考えてみよう。