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[713]鯛(タイ)

お国のタイではなく、尾頭付きの「鯛」のハナシです。

タイといえば尾頭付きで提供されるおめでたい魚です。もともと「平ら」な魚なので「ヒラタイ」からタイという名前がつきました。それが「オメデタイ」のタイに引っ掛けて、タイはおめでたい席に付き物の魚に昇進したようです。

タイは高級でしかもおめでたい席などでしか食べられない魚ということでブランド的人気が出ました。そこで、それを真似して何でもタイという名前をつければ売れるんじゃないかということで、魚名にタイと名がつく魚はなんと200種とも300種ともいわれます。

ところで2000年に改正されたJAS法では、タイと表示できるのはマダイ、クロダイ、キダイ、チダイの4種に決められています。それ以外のタイを「タイ」と表示することはできません。また、クロダイであっても「タイ」ではなく「クロダイ」と表示するように指導されています。

ニセモノのタイといえば「イズミダイ」でしょう。これは元々はアフリカの淡水熱帯魚です。淡白な味わいがタイに似ているのでタイとして命名されましたがタイではありません。不味くはありません。また「シミズダイ」は淡水の養殖ナマズの一種です。これまた淡白な味わいで美味しい魚です。

ちなみに、キンメダイはキンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属で「タイ」ではありません。また味がいいとされる高級魚イシダイもスズキ目イシダイ科イシダイ属の魚です。正真正銘のマダイはスズキ目タイ科マダイ属となっています。この正式名で表示される時に「タイ科」とならないと「タイ」として表示してはならないとされるものです。

ま、おいしく食べられればどうだっていいことですが、タイじゃないのにタイとして売りたいのはブランドに弱い日本人ならではでしょうかね?

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