インテリアに凝るのがブームなようです。洗練されたモダンな家具も人気ですが、伝統あるアンティークな家具も若者に人気とか。
アンティークというと日本では骨董品というイメージがありますが、いわゆるアンティークという言葉はヨーロッパのルネッサンス時代から使われていて、ギリシャ、ローマの古典美術を総称してアンティークと言っていました。
しかし、今で言うアンティークとは1900年から1960年代に作られたイギリス、フランス、アメリカで作られた家具のことをいいます。それより前の家具は材質が木材ということもあり、老朽化していて今ではほとんど使用に耐えません。市場に出回っているアンティーク家具のほとんどはイギリスより輸入されたものです。
アンティーク家具の本場はなんといってもイギリスです。イギリスはアンティーク家具の市場がしっかりしていて、ほしい家具が比較的たやすく手に入れることができます。日本の業者が買い付けに行っても簡単に買えるため、日本にも多く輸入される原因となっています。
アンティーク家具にはその国の特長を表しているものも多くあります。イギリスの家具は直線が基調になっていて実直な感じがします。フランスの家具は曲線を多く取り入れたロココ調の物が多くやさしい感じのものが多いです。
イスもイギリスのものは背板が垂直で座面が高く、背筋がぴんと伸びるようなものが多いのに対し、フランスのものは座面が低く、背板も傾斜して安楽な姿勢が取れるようになっています。
アンティークなイスといえばウインザーチェアが有名です。よくアメリカの古い漫画や童話にでてくる脚が広がったイスです。この広がり方も、アメリカのイスが広がりが大きいのは、座面に使う木材が割れやすいため、脚を中央よりに取り付けらず、結果的に下に行くほど広がったイスになっています。イギリスのものは座面の木材に割れにくいものが使われているので、脚の取り付けも端の方で大丈夫なのでそれほど広がっていません。
家具の工法一つとっても、ローカルな素材に影響されて変化し、それが長い間に伝統と歴史になっているのが興味深いです。