バラは愛の美の女神ヴィーナスとともに生まれたとされ、その強い芳香と見事な花形は紀元前から圧倒的な人気を誇り、名実ともに「花の女王」の名をほしいままにしています。あのクレオパトラも愛したとされるバラは香水の原料にもなり、西洋では欠かせないものでした。一方日本では花といえば、芍薬・牡丹・百合に代表されるようにその花形が評価され、香りについては二の次にされるのは日本には「香水」という文化が無かったからでしょう。
バラの種類は四季咲きハイブリッドティー、中輪種のフロリバンダ、オールドローズ、ミニバラ、イングリッシュローズ、つるバラ、原種があります。花束などに使うものは大輪のハイブリッドティーが主流ですが、園芸関係ではオールドローズやつるバラなどが人気で、流行のイングリッシュガーデンでは、イングリッシュローズが人気が出てきています。尚、四季咲きといっても一年中咲いているわけではなく、春と秋に咲くという意味です。
香料としてのバラは主にブルガリアで生産されるほか、フランスのグラースやリビエラが有名。香料用のバラは開いたばかりの、そして香りが薄まらないように花びらが露を含む早朝に収穫されます。
バラから作るローズオイルは花びらから作りますが、1kgのローズオイルを作るのにバラの花が200万輪要るとききます。ローズオイルは香りもよく肌に使えば磨きがかかるといいます。
ローズオイルを作るのは大変ですが、バラ水なら比較的簡単に作ることができます。香りの強いパパメイアン、ブルームーン等の開いたばかりの花1リットルを鍋に入れ、300mlの熱湯を加えて更に2、3分煮て漉せば出来上がり。ビンに入れて密封保存します。化粧水として、ほのかな香り水として使えます。
バラはその他にも色々と使えます。花束でもらったバラは、花が終わる頃に逆さにつるしておけば簡単にドライフラワーになります。ドライフラワーを作る途中でちぎれてしまった花びらはポプリに、花びらをハチミツにつけておけば甘い香りのローズハニー。花びらに卵白を塗りザラメ糖をまぶして乾かせば砂糖菓子になります。お試しください。
ちなみに、6月の花嫁「ジューンブライド」はイギリスでバラが一番きれいな季節が6月であることに由来したものです。きれいなバラと結婚式は似合いますね。しかし日本では6月はバラは終わり、じめじめとした梅雨入りとなるため、ジューンブライドはあまり流行りません。