群馬県には下仁田(しもにた)というところがありますが、ここはこんにゃくの名産地です。しかし、下仁田ですべて作っているのかというとそうでもなく、近隣の赤城村などで作られたコンニャクイモが下仁田でこんにゃくにされることが多いといいます。
こんにゃくが食べ物として記録されているのは平安中期、精進料理としての記録があります。もともとは中国から伝わったものらしいですが定かではありません。こんにゃく芋はそのままではアクが強く食べられないので、焼いて灰にまぶしたところ食べられることが発見された、と推測されます。ちなみに石鹸も、獣肉を焼いたときの脂汁が灰に落ちて固まったもので、これも偶然の産物といえます。
こんにゃくはコンニャクイモから作ります。コンニャクイモはサトイモの仲間で、この芋をすりおろし、アルカリで固めるとこんにゃくになります。成分はほとんどが炭水化物(糖質)でわずかにたんぱく質、と灰分を含みます。糖質はグルコマンナンという食物繊維から出来ていますが、このマンナンは体内でほとんど吸収されず、しかし便通をよくするなどの整腸作用があるので、ダイエット食品としてもてはやされる所以でもあります。
【こんにゃくを作ってみる】
1)コンニャクイモを1kgなんとか手に入れる(八百屋では売っていないので農協などに問い合わせてみる)
2)コンニャクイモの皮をむき、細かく切って水2Lを加え、ミキサーでイモ汁を作る。滑らかになるまでミキシングする。
3)大きななべに水2Lを沸かしておき、人肌になったらミキサーのイモ汁を加える
4)汁が煮立つまで弱火で煮る。焦げないように途中何回もかき混ぜる。
5)別のなべで水2Lと精製ソーダ(薬局で入手)50gを入れて沸かしておく
6)イモ汁が透明な感じになってきたら、(5)の沸かしたソーダ水を少しづつ入れる
7)瞬間的に固まり始めるので、まんべんなく混ぜ、こんにゃくとソーダ水が馴染んで黒くなるまでよくかき混ぜる。
8)できあがった芋汁を型に流し込み、表面に木ブタなどをして重石をする
9)こんにゃくが固まってきたら、型からはずし、たっぷりのお湯で30分くらい煮る
10)煮たあとはしばらくの間水につけ灰汁抜きをする。あくが抜けたら出来上がり。
11)ぷりぷりコンニャクを食す。んまい!
料理は手間ひまby結城貢先生