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[1242]取引証明用の秤(はかり)

秤(はかり)にはいろいろなものがありますが、どの秤でもその計量した値、つまり重さを取引(有償・無償にかかわらず)に使う場合には「取引証明用の検定を受けて合格した秤」を使わなければいけないことになっています。

たとえば、対面式のお肉屋さんで豚こま200g買うときにグラム数が表示される秤は取引証明用の秤でなければなりません。これは計量法という法律で決まっているのです。秤がないからといって、その辺にある体重計で代用してはいけないのですね。

で、その取引証明用の秤ですが、機種によって使用できる地域が決められています。

地域区分例:

(1)北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県

(2)宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県(薩摩地方に限る)

(3)東京都(八丈・小笠原支庁に限る)、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

その秤を使用する場所が、たとえば茨城県の場合は(2)の表示のある機種を使います。北海道の場合は(1)の表示にある機種。高知県の場合は(3)の表示にある機種を使います。

(3)の表示のある機種を(1)の北海道で使うとどうなるのか?
  アンサー⇒正しく軽量されません。

これは、地域によって「重力加速度」が違うからです。

重力加速度って?

地球は自転していますので赤道方向に遠心力が働きます。赤道に近いほど遠心力は強いのでその分重力加速度が少なくなり、同じ質量のものは軽く表示されます。北海道で量るよりも高知県で量ったほうが軽く表示されるのです。だから正確さを要求される取引用の秤はその地域にあわせて正しく計量できるように調整されているのです。

ちなみに、ロケットの打ち上げ基地のある種子島。何の理由も無く「種子島」なのではなく、南のほうがロケットが軽くなって打ち上げ易くなるので「種子島」なのですね。日本だけでなく、世界各国打ち上げ基地は赤道に近いところで行われているようです。

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