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[440]戦艦大和

昔々、まだ週刊少年漫画誌がマガジンとサンデーしかなかった頃、グラビアの見開きを飾っていたのは、右に戦艦大和そして左に戦艦武蔵。はたまた右にゼロ戦とくれば左はメッサーシュミットか、グラマンか。さもなければ、右にトヨペットクラウン、左にはプリンスグロリアだったりする。右と左の性能の違いに一喜一憂する少年時代・・・

さて、アニメの宇宙戦艦ヤマトは干乾びた東シナ海からコスモクリーナーを手に入れるため、イスカンダルに向けて出航するのですが、その物語の母体となったのは、ご存知戦艦大和。大和は現実に今、東シナ海360mの海中に眠っています。誰もが知る世界最強の戦艦大和ですが、その実態が明らかになったのはつい最近のことなのです。

まず、戦艦大和は極秘に作られており、通常なら船体の横に刻まれている船名が無いのです。これは連合軍が大和を判別し得ないためです。また、大和は沖縄決戦のため、乗組員3000人を乗せて出航しましたが、この時に積んだ燃料は片道分。つまり特攻隊だったのです。このことは乗組員には知らされていませんでした。

また、沖縄に向かう目的も、海上で戦うのではなく、浜に乗り上げて地上の要塞としてその使命を全うしようとしていたのです。まったくむちゃくちゃな作戦だったといえます。

極秘裏に沖縄に向けて出航した大和ですが、アメリカ軍はその動きを全てつかんでいました。そして、東シナ海で大和を猛攻、沖縄行きを阻止し、大和はその使命の百分の一も果たさず、撃沈させられてしまいます。乗組員3000人のうち犠牲者はなんと2740人。昭和20年4月7日のことであります。

なお、東シナ海には大和だけでなく、約3000隻の当時の軍艦と30万人の遺体が今もなお眠っているということです。何世紀か後、海が干上がることがあるとしたら、未来人はその異様な残骸にきっと目を見開いて驚くことでしょう。

海の底に眠る戦艦大和の「菊の紋章」

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