西暦2001年の今年は皇紀でいうと2661年にあたります。皇紀というのは、日本書紀に記されている神武天皇(初代天皇)即位の年を元年として起算した日本独自の紀元表記です。一般的に多く使われている「西暦」はイエスキリストが誕生したとされる年を元年としていますが、わが国の皇紀はそれより660年も前になリます。
皇紀といえば、年配の方は「紀元は二千六百年」という言葉を思い浮かべるのではないでしょうか?「紀元は二千六百年」というのは昭和15年のことで、当時の日本は軍国主義のため軍歌に多く使われた言葉です。
日本は「神の国」ですから戦争に負けるわけがない。どんなことがあっても最後には「神風」が吹き、日本は勝つのです。なーんて妄想のために日本は結局敗戦の憂き目に遭うのですが。
戦争が終わると今まで神の子孫であった天皇は普通の人に戻り、国民の象徴となります。しかし、歌や行事には天皇=神という表れが随所に残り、識者の憂いとなります。国家に制定された「君が代」も天皇は神であると言っているで反対する人が多いのですね。君が代の旋律は非常にシンプルで良いと思います。
さて、神武天皇というのは本当にいたかどうかですが、これは怪しいです。何しろ神武天皇は高天原から日本を統治するために下界に降りてきた神様に子孫ということですから、実在するとしたら神が実在したということになってしまいます。ただ、血筋はともかく伝説上には存在する最古の天皇ということではあります。
ちなみに建国記念の日(2月11日)は神武天皇が日本を統治するために九州から大和に向かった日とされます。その根拠となるのが史実にあったかどうかわからないことであり、伝説を元として国民の休日としてしまうことに疑問を感じますね。ま、休めることはいいことですが。
軍歌「紀元二千六百年頌歌」
紀元二千六百年奉祝會制定/東京音樂學校 作曲
遠すめろぎのかしこくも はじめたまひしおほ大和
天つ日嗣のつきづきに 御代しろしめす とうとさよ
仰けば遠し皇國の 紀元は二千六百年
あお人民に い照る日の 光あまねき大八州
春のさかりをさく花の 薫うがごとき ゆたかさよ
仰けば遠し皇國の 紀元は二千六百年
大わだつみの八洲路の めぐり行きあふ八紘
ひぢりのみ業うけもちて 宇とおほわん かしこさよ
仰けば遠し皇國の 紀元は二千六百年
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