ラーメンの具といえば、メンマ、チャーシュー、ナルト、そしてほうれん草ですね。私も一時期ラーメン屋をやっていましたが、ラーメンにナルトを入れてもナルトは全然食べてくれません。完璧に残されます。しかしたとえ食べてくれなくてもラーメンにはナルトは付き物なんです。理屈ではなくそういうもんです。
またほうれん草の代わりに青みとしてワカメを入れることが多いですがこれも邪道です。ラーメンにワカメを入れたらワカメ臭くなってしまってラーメン本来の風味が損なわれます。ワカメはほうれん草に比べ仕込みが楽なので多くのラーメン屋で使われていますが、できればほうれん草それも日本ほうれん草という種類を使ってほしいと思います。西洋ほうれん草と日本ほうれん草は甘味うまみとも全然違うものです。
さて、メンマのハナシ。
メンマは中国や台湾で採れる「麻竹(まちく)」を乾燥・醗酵させたものに味付けしたものです。したがって、日本で売られている筍の水煮を買ってきて味付けしてもメンマの味にはなりません。メンマの独特の風味は味付けではなく発酵させた筍だからです。
中国産より台湾産のほうが高級とされます。日本には乾燥メンマと塩漬けメンマが輸入されていますが、乾燥メンマのほうが高級です。私は塩漬けメンマを使っていましたが。
乾燥にしろ塩漬けにしろ、メンマの秘訣は「戻し」にあります。水に浸けて戻す作業ですが、完全に戻してしまうと味付けがぼやけますので、95%くらい戻すのが秘訣。味付け後に100%になるようにすると味も引き締まるって訳です。
味付けする前に、戻したメンマは良くチェックしなければなりません。台湾や中国からの食材には異物が入っている場合が非常に多いからです。異物を取り除かないで味付けしてしまうと、ラーメンに異物が入ってしまいます。お客さんからクレームが来て、それは中国産だから仕方が無い、とはいえませんよね。だから一生懸命仕分けをします。このときに大きさもそろえます。たかがメンマですが非常に手がかかるものなのです。
味付け使う調味料は基本的に日本の煮物と同じです。醤油、みりん、サラダ油、酒、塩、胡椒、オイスターソース、XO味噌、ごま油などで行い2時間ほど弱火で煮込み、味を調整してできあがり。
ご飯のおかずやビールのつまみにする時など濃い目の味付けにし、ラーメン用に使うときは薄味にします。濃い味付けにするとラーメンの味を壊してしまうからです。
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