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[904]月の裏側

1969年にアメリカのアポロ11号が人類史上初めて月面に着陸しました。アームストロング船長が月面にたなびかない旗を立てて、歩いたりする映像を一度は見たことがあるでしょう。当時のアメリカ大統領はJFケネディ大統領でした。

それに先立つ1961年。ボストーク1号に乗り、人類で初めて地球の周りを回ったのがソ連(現ロシア)のガガーリンです。彼の発言とされる「地球は青かった」という言葉は有名です。当時の首相はフルシチョフ。アメリカとソ連は超大国として世界に君臨しており、一方で冷戦時代とも言われていた時代です。

さて、地球に一番近い天体は月です。この月は、公転と自転が同じなため、地球にいつも同じ方向を向けています。つまり地球から見る月はいつも同じ側なのです。いつも見えない向こう側を月の裏側と称し、色々な憶測が飛び交いました。南極のような氷の塊が有るとか、UFOの基地が有るとか…。しかし現在では月の裏側には、表と同じように何も無いことが分かっています。

なぜ月の裏側は地球から見えないのでしょうか?理由は、月が地球のまわりを1回転する間に、月自身が1回自転するためです。月の公転は約27日(私達が使う「1ヶ月」の原点)ですが、月自身も27日かけて1回転するというわけです。

これは偶然ではなく、天体では良くあることで、太陽系でも月だけでなく木星のガリレオ衛星(イオ、エウロパ、カリスト、ガニメデ)も公転周期と自転周期が同じになっています。

なぜこうなるかというと、月の場合、地球の重力によって月はわずかながら洋ナシ形に変形します。洋ナシ形に変形したまま、仮に公転周期よりも早く自転すれば、地球重力は月の自転にブレーキをかけるように働きます。

逆に月が公転周期よりも遅く自転していると、今度は地球重力は自転に加速するよう働きかけます。このような力の働きにより、最終的に公転と自転が同じ周期を持つ状態に必ず落ち着くことになっているというわけです。

なお、ガガーリンは宇宙旅行の訓練中事故死しています。1968年3月27日、享年34。アームストロング船長は現在75歳(2005年現在)でいまだお元気なようです。

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