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[463]アンタレス

今日は月食でしたね。見ましたか?最近、夜空がにぎやかしいです。

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南の夜空に真っ赤な火星が光っています。6月22日は2年2ヶ月に1回訪れる火星大接近の日でした。火星は地球の軌道より外側を回っているので地球の方が相対速度は速く、実際には地球が火星に接近する形になります。

夏の夜空といえばさそり座。ほぼ中央に位置するさそり座のアルファ星(その星座で一番明るい星)はアンタレスです。アンタレスと地球から見た火星の軌道は非常に近いので太古の昔から赤い星同士として比較されてきたようです。アンタレスは火星に対抗するもの(アンチ・アーレス)という意味があります。しかしながら、明るさではアンタレスが1.0等級なのに対して、最接近時の火星はマイナス2.5等級と25倍も明るく、火星に敵うものではありません。

さそり座といえば、オリオンにまつわる神話があります。オリオンは世界最強の巨人ですが、そのオリオンを快く思わなかったゼウスの妻ヘラが、オリオンに向けて放ったのがこのさそりで、オリオンはそのさそりの毒であっけなく死んでしまいました。その後オリオンは星座となりましたが、さそりを恐れるあまり、さそり座が地平線に上る頃には逃げるように沈んでしまいます。

ところで、このさそりを見張っているのはいて座です。いて座は弓を引く射手ですが、その矢の狙い先は、サソリの心臓アンタレスであるのがわかります。つまり、いて座の矢はいつもサソリの心臓を狙って天の暴れ者であるサソリが悪さをしないよう見張っているワケです。

6月22日に地球に最接近となった火星は、再び地球から遠ざかりはじめていますが、7月中はまだまだ距離も近く、明るくて見かけ上の大きさもあり、観望の好機が続いています。特に7月20日にはアンタレスの東側へ5.3度のところまでやってきて並びます。午後8時半頃、宵の南の空にならんで輝く大小二つの真っ赤な星が話題になるでしょう。

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