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[071]年休あれこれ(1)使用者の承認は不要

 

【使用者の承認は不要です】
 
読者の皆さんから圧倒的に多い質問は年休についてです。皆さん年次有給休暇(以下年休)を取るにもエライ苦労されているようですね。ということなので少しばかり年休について続けていきたいと思います。
 
まず、年休を巡って総務と渡り合う時に「有休」という言葉を使うのはやめましょう。有休というのは法律的には何のことかわからないのです。ここはきっちり「年次有給休暇」あるいは「年休」という言葉をピシリと使って相手に先んじます。年休という言葉を使うだけで、コイツはちょっと労働法を知っているな?と思わせるのです。
 
さて、「年休は請求して使用者の承認を得なければ取得できないか?」という問題があります。質問として「年休を取らせてもらえない」というのが非常に多いのです。
 
これは、労働日の80%以上を就業しているなど、労基法第39条第1項第2項の要件が充足されて年休が存在する場合は、与える与えないの問題ではなく「労働者は年休の権利を取得している」のであり、「使用者は年休を与える義務を負う」ということになっています。
 
つまり、使用者が与えるのではなく、労働者が既に持っているものなのです。したがってそれを使うかどうかの問題なので、請求は本来不要なのです。
 
具体的に労働者が年休を宣言した時には、使用者ができるのは時季の変更のみ。もし時季の変更権を行使しない場合は、そのまま年休を行使していいということになります。
 
年休の成立要件として、労働者による「休暇の請求」や、これに対する使用者の「承認」の観念を容れる余地はないとされています。(S48・3・2最高裁第二小法廷判決)
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