[雇用対策法条文]第7条事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときは、労働者の募集及び採用について、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えるように努めなければならない。
今までは、雇用均等法により、募集にあたっては男女の差別無くしなければならないとなっていました。しかし、仕事というのはおのずと男性向き及び女性向きがあります。水商売のホステスがほしい企業で女子従業員のみの募集を禁止するというのは事実上無理がありますし、重たいものをかつぐ仕事は一般の女性には向きません。
太古の昔より男は狩に出かけ家を建て、女性はその家庭を守るのが仕事でした。時代が変わり社会に女性が進出することになったとしても、基本的な役割は変わらないと思います。
むしろそういう自然の摂理からすれば雇用に対する年齢制限のほうがおかしいのです。太古の昔にも年老いても狩の達人は存在したでしょう。狩ができなくなったときが引退の時であり、それは自分自身で察することです。
今回の改正によって、募集の際には、職務内容、適性、能力、経験、技能等の程度を明示すること、募集・採用にあたっては、止むを得ない場合を除き、年齢制限をしてはならないこと、と定められました。
【年齢制限が止むを得ない場合】
1.長期勤続によりキャリア形成を図るため新卒者などを募集採用する
2.特定の年齢層の労働者が少ない場合に、従業員の年齢構成の維持・回復を図るために、特定の年齢層の労働者を募集・採用する
3.定年年齢や継続雇用の最高雇用年齢との関係で、採用しても、労働者に十分に能力を発揮してもらったり、必要な職業能力が形成される前に退職することとなるような場合に特定の年齢層以下の者を募集・採用する
4.賃金が年齢により決定され、そのことが就業規則に明示されており、年齢にかかわりなく一定の賃金で募集すると、採用した場合に就業規則違反となることから、特定の年齢以下の者を募集・採用する
5.取り扱う商品などが特定の年齢層を対象としていることから、顧客との関係で業務が円滑に遂行されるよう特定の年齢層の者を募集・採用する
6.芸術・芸能の分野の表現の事実性のために特定の年齢層の者を募集・採用する
7.労働災害の発生状況等から、労働災害の防止や安全性の確保のために特に考慮が必要な業務について、特定の年齢層の労働者を募集・採用する
8.体力、視力など加齢により一般的に低下する機能が、募集しようとする業務の遂行に不可欠であるため、特定の年齢以下の者を募集・採用する
9.行政機関の施策を踏まえて中高年齢者に限定して募集・採用する
10.労働基準法の法令により、特定の年齢層の就業などが禁止又は制限されている業務について、禁止、又は制限されている年齢層の労働者を除いて募集・採用する
問題となる点はいずれも「努力義務」であるということ。罰則はありません。また、上記「止むを得ない場合」の範囲が広すぎることです。今後の更なる改正を望みたいと思います。
ちなみに、アメリカでは採用にあたっては能力主義で、能力があると判断されれば誰でも採用します。男女差別、人種差別もありません。定年もありません。
あなたの会社もここで一発、定年廃止、年齢関係なく完全能力主義、採用にあたっては男女差別無し、年齢制限無しの先進企業に変貌してみてはいかがでしょうか?無理?
改正雇用対策法全文
http://www.tamagoya.ne.jp/roudou/koyoutaisaku.htm
2001-12-12(執筆)