■読者からの質問
契約社員でマネージャをしています。現在、妊娠6ヶ月でまもなく産前休暇に入る予定です。産前産後休暇後は育児休暇を取り復帰予定です。旦那は同期入社の同じ部署ので現在、直属の上司にあたります。入籍はしてません。
今回「マネージャの人数に余剰が出るためコスト削減でわたしを他部署に異動する。」と言われました。この異動により私の給料は月給から時給になり、大幅に減給となります。
複数マネージャがおり、その候補の中で私が選ばれた理由については、
1.産休で抜けることがわかっていて先が無いから。
2.今後、新人のマネージャも必要になるから。
3.妊娠しているということで、会社で倒れたりした場合に責任が持てない。リスクが高いから。
4.離職が多く、その理由に私が含まれていたことがあるから。
5.旦那との関係が全体に影響する(している)から。
今回の会社側の私に対する対応ですが、複数いるマネージャの中でわたしを選んだ理由と言うのが「能力」としてではなく「妊娠していること」を理由にしていると感じているため、どうしても納得できません。妊婦に対する差別なのでは?とも感じます。なにかアドバイスをいただければと思います。よろしくお願い致します。
■たまごやの回答
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
『産休を理由に配置転換。大幅に減給』
労働基準監督署は労働基準法に違反している場合は刑事事件と同様に強い権限で捜査をします。もし悪質の場合は、代表者は逮捕となります。
お話を伺うに、会社は本当のところは解雇をしたいのではないでしょうか?しかし、正当な理由も無く解雇はできませんから、いろいろな理由を付けて配置転換をさせるのです。
配置転換(異動)自体は業務上の都合ですから、法的に問題はありません。問題があるのはそのために実質減給という不利益な取り扱いを受けることです。
産休について労働基準法は以下のように規定しています。
65条使用者は6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した時にはそのものを就業させてはならない 。使用者は産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない 。
あなたの場合、産休は取れるわけですから、会社は労働基準法に違反はしていません。
次に、育児休暇ですが、育児休暇は育児休業法に基づき労働者が請求できる権利で、もし会社に育児休暇の制度がなくても、申請すれば取得することができる権利です。育児休暇を申請した場合に、会社側は正当な理由がない限りそれを拒否することはできません。また、育児休暇を取得・申請したことを理由に減給・配置転換や退職の強要など「不利益な取り扱い」をすることも禁じられています。
あなたの場合は、育児休暇自体は取れますが、配置転換そしてそれに伴い減給となるので、明らかな不利益な取り扱いとなるので、この点は主張できる権利となります。
従いまして、あなたのとるべきスタンスは…
1.産休と育児休暇は取得する
2.配置転換には応じる
3.配置転換後の賃金については不利益にならないよう主張する
(3)につきましては、相談する場合は都道府県労働局雇用均等室になりますが労働基準監督署でも話は聞いてくれると思います。もし所轄が違うということでしたらそこから紹介してもらうといいでしょう。
都道府県労働局雇用均等室所在一覧
なお、産休及び産前産後の休暇を理由として、退職勧告、あるいは暗黙の退職要求はよくあることです。産休や育児休暇というのは、経営者の立場からするとよく思われていないのです。会社というのは出勤して働いてナンボのところです。それなのに、お産で休むは育児で休むはでは仕事にならないのも事実です。産休開けて戻ってきたら新しい人が入っていて自分の机が無かった、なんてのは日常茶飯事です。あなたの場合、退職に至らないだけでもラッキーかもしれません。
また、メールの内容にありましたが、社内恋愛、妊娠、しかし入籍していない、という事実は今までの慣習から社内の風紀を乱す、と捉えられているかもしれません。
会社というのは人間の集まりですから、その「和」は大変重要視されます。もし社内の風紀を乱し、社内の和を乱すとなれば、退職勧告どころか解雇の対象にもなりますので、そのあたりご自身で考える必要があるかもしれません。
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