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[197]読者Q&A『就業規則作成義務と変更』

■読者からの質問

はじめまして。会社の都合で就業規則を勝手に変更した場合、社員はそれを受け入れるしかないのでしょうか。

社員が5名の会社です。以前、20名近く社員がいた時に、就業規則を作りました。有給休暇の規定や退職金の支払い方法を変更しているようです。ようです、というのは、変更後の就業規則は渡されていないからです。

年棒制で、年に一度契約書に判を押しています。が、紙が1枚渡されるだけで特に話し合いなどはありません。

長く勤めれば勤める程、会社都合で退職金が減るので(勝手に規則を変更しているので)辞め時かなのかもしれませんが。

■たまごやの回答

お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。

就業規則は「常時10人以上」の「労働者」を使用する場合は作成しなければならないとされています。(労働基準法第89条)もちろん作成しただけでなく、労働基準監督署に届け出る必要があります。

では、常時10人以下の場合はどうかというと、法律によれば作成しなくてよいことになります。たとえば創業時は20人いたので就業規則を作ったが、その後業績が悪化し、従業員を削減して現在5人しかいない。こういう場合の作成義務はありません。

しかし、就業規則は職場の最低限のルールですから、10人未満であっても自主的に作成することは一向に構いませんし、むしろ作るべきものと思います。

そして、就業規則として体裁を整えるならば、その内容は監督署に届け出ても遜色のないようにする必要があります。いつでも閲覧できるようにしておくなどの周知義務も当然のこととなります。そうやって作成された就業規則は従業員数が10人未満の場合であっても10人以上の会社と同じように就業規則としての効力が発生します。

したがって、いい加減な内容や厳しすぎるような内容の就業規則の場合でも効力がありますので要注意です。むしろ10人未満の場合は就業規則を作らないほうがいい場合もあります。

また、労働基準法第90条によれば、就業規則の作成又は変更について、労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない、としています。お尋ねの件のように、黙って変更することは認められておりません。

あなたのやるべきことですが、変更前と変更後の違いがわかる資料を取り揃えてから、労働基準監督署などにご相談されることをお勧めします。しかしそのような会社の場合、現実問題として改善されることは難しいと思われますので、おっしゃるように「辞め時」といえるかもしれません。

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