正社員とは一体なんでしょう?
企業のリストラが続き、経費節減のため社員の大幅な削減がされています。正社員を解雇し、新たに雇い入れる社員を正社員ではなく、契約社員とする例が増えています。これは契約社員なら、いつでも解雇できるという考えによるものですが、いつでも解雇できるというのはちょっとあたらないですし、熟練した正社員を除外し、流動的な契約社員で固めるというのはどんなものでしょう?
私見ですが、年功序列によって生じる愛社精神というのも十分武器になると思っています。どんな人間だって使いようです。社員が無能なのではなく、育てなかった経営陣が無能なのです。ま、少数意見でしょうけど。
さて、正社員とは、「期間の定めの無い雇用契約」を締結した社員です。そんな契約してないぞ、といっても正社員はそういう契約になっているのです。逆に、パートや契約社員は、期間を定めなければならないですから、必ず契約書があります。
正社員は期間の定めが無いですから、正当な理由無く解雇はできませんし、黙って定年まで勤めることができる、大変優遇された契約です。ですから、こういう契約にあぐらをかいてしまい、ロクデモナイ正社員がまかり通っていました。ここにきてリストラで慌てている人は今まであぐらをかいていたことに反省すべきです。本当に必要とされているなら、リストラでもなんのその、解雇などされないはずです。
正社員はパート・契約社員より解雇されにくいか?
正社員は会社の経営悪化防止を理由に解雇はできません。しかし、それに比べるとパートや契約社員が解雇されやすいということは判例でも明らかで、昭和61年最高裁の判例では、正社員とパート・契約社員を解雇理由の合理的差異を認めています。
この合理的差異は社員の労働条件を定める就業規則を、地位、身分、業務等に応じて別々に定めることを認める判例にもつながります。
いずれにしても、正社員が減り、パート・契約社員が増えていくのは時代の流れで止めることはできません。人材が流動的になることは良い面もあるし、悪い面もあります。これからは雇用形態にかかわらず、自分のスキルを高めておき、どんな状況になっても必要とされる人材として磨きをかけておく必要があるといえますね。