[09]運動の出来る人と出来ない人
この違いはどこから来るのでしょう?子供の頃からの身体の使い方です。どのように使えば、運動が出来るのでしょうか?それは、身体の中心を動かして手や足が連動して動かせる人が出来る人になるのです。子供の頃にこんな事を意識してやっている人はほとんどいないでしょう。しかし、遊びの中で自然に拾得している子供がいるのです。あの子には素質がある。走る、跳ぶ、投げる、何でもやってのける子供です。
出来ない子は、身体と手足がバラバラに動いてしまうのです。つまり、走ると足の力だけを使います。投げると肩と腕の力を使います。跳ぶと足の力を主に使ってしまいます。まるで私の話になっていまいますが。
前回の話しは身体の軸の話しにしてありますが、実は体幹の中心の力を手の動きや足の動きに連動させて動く体の使い方なのです。武道の根底の動きです。身体の小さな力のない人が、大きな人を投げ飛ばす動きになるのです。勿論、基礎的な運動能力にも関係します。長く走る、速く走る、遠くへボールを投げる、高く跳ぶ、遠くへ跳ぶ、全ての動きの基礎になる身体の使い方になります。
では、3本の軸を使って次のエキササイズに行きましょう。仙骨を自由に使う練習です。まずは中心軸でやってみます。図で表せば楽なことですが、ここでは文章で表現しますので、仙骨の上方向を12時、下を6時にしましょう。仰臥位(仰向け)に寝て、両足は軽く膝を曲げた状態にします。絶対に足の力を使わないで下さいね。ヘソの位置を屈曲させて12時だけを床に付けます。次に一杯に反らせて6時だけを床に付けるようにします。12時、6時、12時、6時と連続して動かして下さい。
それでは、左右の股関節の軸を使いましょう。中心軸は12時と6時の中間です。ここでは、右を3時、左を9時にしましょう。右股関節の軸を下に付けて、次は左股関節の軸を下に付けて。これで3時と9時を交互に床に付けるように連続して動かしてみて下さい。ここまで来ると、さらに12時6時方向の縦軸と3時9時方向の横軸との斜め軸まで動かしてみましょう。
1時半と7時半の軸は、12時6時の縦軸を最大屈曲よりも少し加減して、右股関節の軸を下に付けます。これが、1時半です。7時半は、縦軸を最大伸展より少し加減して左股関節軸を下に付けます。4時半と10時半の軸はこれを参考に考えてみて下さい。さて、これで8方向動かせるようになりました。では、12時から始めて、1時、2時、3時、・・・・・、10時、11時12時へと時計回りに床に付けてください。ゆっくりと注意して綺麗な円運動になるように。反時計回りもやってみて下さい。
岸 元(きしはじめ)