[09]病棟日記-新患-
新しく患者が入院してきた。
前述の消化器内科の患者である。緊張の面持である。本人に続いて奥さんが入室してきた廻りに挨拶している。こっちは毎度のことだから軽く会釈する程度。気にしちゃいない。
入院と言うことは検査もしくは手術のためだから緊張するのはやむを得ない。本人はガチガチだが奥さんはオロオロというのがいつものパターン。看護婦の言うことをよく聞いている。返事が初々しい。
大部屋では仕切りのカーテンは必要のないときには開けておくのがマナー。空気も淀むし第一暗くなっていかん。しかし新患さんはお決りのようにカーテンを締め切って中でヒソヒソやっている。不安なんだろうな。健気でさえある。
その患者が今検査のため出て行った。朝から下剤を飲まされていたから多分大腸ポリープの内視鏡検査だろう。ポリープの状態如何では除去ということだ。予後は出血がなければ翌日退院。出血があれば必要に応じて入院と言うことになる。
かくいう私も直径4ミリ程のポリープを温存している。大きくなるようだったら除去した方がいいと言われているのだが、まーそれはあとの楽しみと言うことで。
※1997年10月22日記述