[10]病棟日記-ビジネスマン-
昨日入ってきた新患さんは今日退院だ。
こうしてみていると短期入院患者と長期入院患者とでは決定的な違いがある。短期入院患者は入院していてもビジネスマンなのだ。入院してるのに仕事をしている雰囲気がある。いわば「あきらめ」がないのだ。これは病院という箱の中で一種異様である。
一方療養の為に入院している患者には「あきらめ」がある。「直るまでは仕方あんめ」こうなるとマイペースである。食事もしっかりとるしテレビも見るし風呂にも入る。のんびりしている。この際だから大いに休もうという気持ちが伺える。
この気持ち、大事だと思う。身体が直るには時間がかかる。あせったってダメなのだ。
ところで今朝起きたら足が重い。どうやらブロック注射の効き目が切れたようだ。しびれは大分良い。指先にも力が戻ってきている。回診のとき、医師の話しでは手術の必要はないとのこと。昨日の話しとはニュアンスが違うが、一安心なのかよくわからない。
いずれ又このようになったらその時は手術になるだろうが、やたら引き延ばしてもどうかな?とも思う。しかし、ま、手術はあくまでも最終手段ということで、切らずに済めばそれにこしたことはないのである。
たまごや
※1997年10月23日記述