[06]立って歩く!!
前回の話しでちゃんと立てましたか?ここが全ての始まりになりますから、もう一度繰り返します。
大腰筋を使える唯一の運動は、立って片足を上げるときに使います。ただし、股関節を曲げて上げるのではなく、へその位置で身体を折り曲げるようにして上げる上げ方です。お腹の奥に力が入っているのを感じますか?その感覚で両足を床に付けたまま立てますか?その感覚が分かるまで、何度でも足上げを繰り返して下さい。
実際の足は股関節から始まっていますが、ウェストラインからが自分の足だと思って下さい。足を伸ばしたまま、前に上げて、そのままの高さで横に向けて、後ろに向けて。ウェストラインからが自分の足の始まりという感覚になりましたか?もう一つ付け加えます。頭は天井からつり下げて下さい。顎を出さないで、首の後ろを真上にスーっと伸ばして下さい。さて、これで歩く準備が出来ました。
では、ウェストラインから足が付いています。足を前に出して!もう片方の足に直ぐに体重が乗るのが分かりましたか?体重移動がいらない歩き方なのです。出来たなら、そのまま続けて!!ゆっくり歩いてもふらつきません。
背部を緊張させて姿勢を維持する立ち方では、歩くときに横に体重移動します。やってみて下さい。歩き出そうとするときに、左足を前に出そうとすると必ず右側に、上半身を傾けるはずです。上半身の体重移動でバランスをとろうとします。
もう一度、大腰筋を使った姿勢を作ってみて下さい。ウェストラインを折り曲げるようにして左足を前に出してみて下さい。上半身はどちら側にも移動しないはずです。この姿勢で歩くと、上半身は左右にも、上下にも動きません。上半身の中心軸がスーっと滑るように前に移動していきます。
ちゃんと出来るようになれば、前から他の人が進むのを妨害しても、押しのけて歩いていけるようになります。
背部を緊張させる姿勢では、大腿部の前面とふくらはぎ(腓腹筋とヒラメ筋)を使って歩くようになるので、足が非常に疲れます。「夜になると足がパンパンになるの。」と言う方は、この姿勢になっているはず!この立ち方だと、両方の下肢は構造上外側を向くようになりますから、足底の外側に体重がかかります。靴の外側ばかりがすり減ってしまいます。そして何より、足の外側の筋肉を酷使するので、いわゆるがに股になるのです。まっすぐに伸びた足になりたければ、この大腰筋歩行を心がけて下さい。
岸 元(きしはじめ)