タイと並ぶ高級魚といえばヒラメ。淡白な味わいと脂の乗り、ほどよい歯ごたえは白身魚の代表格で日本人好みといえましょう。
ヒラメとカレイはともにカレイ目の魚でとてもよく似ていますが、平べッたい体をして、海の底を這いまわり、小魚などを捕食します。目が上面に付いていますが、背鰭を上にして目が左側にあるのがヒラメ、右にあるのがカレイです。これを一般に「左ヒラメに右カレイ」といいます。
といっても生まれつき「寄り目」ではなく、生れた時はごく普通の魚と同じように目は左右に一つずつ分かれていますし、体つきも平べったくありません。ところが一ヶ月目位から目が移動しはじめ、海底に寝そべって暮らすのに都合が良いように一方の側に目が寄ってしまいます。
カレイやヒラメはカメレオンの様に体表を保護色に変えることができます。天敵から身を守り、なにも知らずに近付いて来た小魚をパクッと一飲みするのに便利です。
カレイやヒラメは11月から3月頃までが産卵の時期で、この頃が旬です。子持ちガレイの煮付けは格別ですね。またヒラメも脂がのっておいしくなりますが、ヒラメで一番おいしいところは、脊びれや尾びれのつけ根についている肉で、これをエンガワといいます。ここにはコラーゲンが多く含まれ、皮膚の健康を保つのにも役立ちます。
ただし、回転寿司など安いエンガワは、ヒラメではなくカラスガレイのエンガワです。日本では寿司ネタとして人気があるので海外で仕込み冷凍されたものが輸入されています。エンガワを取った身のほうは冷凍の切り身「むきかれい」として売られています。本物のヒラメに比べ輸入物は歯ごたえがイマイチです。
カラスガレイは最大1.2メートルにもなる大型のカレイで北極を中心に北大西洋、シベリア沿岸、ベーリング海にまたがって分布します。カラスガレイの名の通り真っ黒いカレイです。似たようなものに「オヒョウ」がありますがこれもカレイの仲間で、食用としても売られていますが、ヒラメには食感で敵いません。
ということで本物のヒラメはなかなか口には入らないようですね。
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