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[704]薄力粉

小麦粉には薄力粉、中力粉、強力粉とあります。これらの違いは含まれるたんぱく質の含有量よって呼び名が変わっています。小麦たんぱくはグルテンともいわれ、水を含むと粘りが出てきます。グルテンが多いものほど粘り、コシがあります。

コシのある小麦粉は強力粉です。逆にコシのない粉は薄力粉です。強力粉はパン、ギョーザの皮、中華めん、ピザなどに使われています。薄力粉はケーキ、天ぷらに使われます。中間の硬さがほしいときは中力粉を使います。うどんに使うのは中力粉です。イタリア料理のパスタは強力粉の中でもさらに強力なデュラム小麦粉をいう粉を使います。

強力粉と薄力粉はじつは同じ小麦から取れます。小麦粉はその名のとおり小麦を粉にしたものですが、一番外側の皮は「ふすま」といわれ飼料にします。ふすまをとった本体部分のグルテンの多い部分が強力粉。グルテンの少ない部分が薄力粉となります。

しかし最近ではさらに小麦自体が改良され、強力粉に向く品種、薄力粉に向く品種ができてきています。強力粉の原料となる小麦は「ダークノーザン・スプリング」、「ウエスタン・レッド・スプリング」といった種類です。たんぱく質が多く粘り気と弾力性が強いのが特徴です。

薄力粉の原料は「ウエスタン・ホワイト」などで、こちらはたんぱく質が少なく水でこねた時に適度な軟らかさとなります。パスタに使う品種はデュラム小麦といってこれはパスタ専門の黄色い小麦です。

中力粉もそれなりの品種があるようですが、要は強力粉と薄力粉を適当に混ぜれば中力粉になります。それほど気にする必要はないようです。麺類には中力粉を使うことが多いですね。コシの強さだけととったら強力粉の方が良さそうですが、麺類には食感を求められるので、のど越し歯ごたえは中力粉の方が良い場合が多いのです。

ちなみに私は以前自分の飲食店で中華麺を打っていましたが、中華麺は専用の中力粉を使っていました。たまに食パン用の強力粉で打ってみましたが、そうしたらなんと食パンみたいな味の中華麺が出来上がってしまい驚いた経験があります。

ところで小麦は英語でFlour。花のフラワーFlowerと同じ発音なので間違えやすいですが、語源をたどれば同じ花を意味するとのこと。真っ白な小麦粉は貴重で美しい花と通じるところがあるからでしょうか。

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