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[078]年休あれこれ(8)退職時の年休

 

【退職時の年休】
 
年次有給休暇(以下、年休)は労働者の当然の権利ですが、実際問題としてはなかなか消化できなかったりします。
 
したがって、解雇もしくは退職する時にはかなりの年休日数が残っているのが普通です。会社を辞めるわけですから、この残った年休は消化したいですよね。
 
〈解雇の場合〉
 
解雇予定日が20日後である労働者が20日の年休権を有している場合。この労働者が年休取得を申し出たときは「当該20日間の年次有給休暇の権利が労働基準法に基づくものである限り、当該労働者の解雇予定日をこえての時季変更は行えない。」とされ、年休は認められます。(S49.1.11基収第5554号)
 
〈退職の場合〉
 
この場合も上記と同じで、退職予定日をこえて時季変更権は行使し得ないとされています。例えば、2週間後に退職を申し出ている労働者が、残っている年休の14日間を取得して辞めたいという場合などは、その請求は認めざるを得ないと考えるべきです。
 
この場合、年休を消化させるのが面白くなくて、申し出のあった退職日より早くやめさせることは、使用者からする解雇との解釈も成立する余地があり得策ではありません。つまり、申し出通りに消化させるのが結局は平和なのです。
 
尚、退職時に残っている年休に関しては、残日数に応じて調整的に金銭の給付をすること(買い上げ)も認められているので、そのような状況にいる労働者は、使用者と相談してみることをお勧めします。
 
とはいえ、このような話し合いに応じる会社は少ないと思います。ですが、会社を辞めれば何らかの形で、次にはお客になるかもしれない労働者です。気持ちよく退職できる様にするのは、上司として最後の務めではないでしょうか?
 
解雇予告期間中や退職予定日前の残余の年休付与は、使用者としてむしろ積極的に対応すべきではないかと思います。
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