労働基準法第34条では8時間を超える労働の場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければならない、としています。
そのため使用者は昼休みなど1時間の休憩を労働者に与えるのが常となっています。しかしここで、顧客からの問い合わせなどに備えて、交代で電話当番を決め、その人が職場で休憩を取りつつ電話番をすることがあります。
《このような休憩中の電話番は休憩とはなりません》
このような交代での電話当番に「休憩とはならず」相応する時間については賃金の支払い義務が生じます。更に、これは「休憩時間ではない」ので別途改めて休憩時間もとらせる必要があります。
このようなかかってくるかもしれない電話に備えて待機する時間を「手待時間」といいます。手待時間は使用者の指揮命令から離脱して自由な利用を保障している休憩時間とは異なります。
また同じように、昼休み中の来客に備えて、交代でとる来客当番も同様に休憩時間とはなりません。
このような場合はどうしたらよいのか?
昼休み自体を交代でとるようにすればいいのです。たとえば、職場が空っぽにならないように労働者をA班B班に振り分け、A班は11:30から12:30まで、B班は12:30から13:30までとし、それぞれ休憩を取ります。
こうすれば職場には仕事中の労働者が誰かはいることになり、電話、来客ともに対応できるようになります。
ただし、この方法は「休憩の一斉付与」原則に反するため、労働組合もしくは労働者の過半数を代表する者との書面による協定が必要になります。