[13]固定して動く(足)

中心の力を末端に伝えるときや、体重移動するときに、非常に大切な事があります。それは、股関節の角度、肩関節の角度を変えないと言うことです。言い換えれば、右の足を動かすときには、右の股関節は固定されていなければなりません。あるいは、右腕を動かすときには、右の肩関節は固定していなければなりません。これが出来なければ、体幹の動きを手や足に伝えることが出来ないのです。
???ですか。では、足を使うときの例を挙げてみましょう。足を前に伸ばして座り、両手を後ろについた姿勢をとりましょう。それから、両足の膝を90度くらい曲げて横に開いてみて下さい。片方の膝に誰か全体重をかけて乗って貰います。腹這いに乗って貰う方がいいでしょう。右の足に乗って貰いましょう。
では、開いた右足を左に倒してみて下さい。この時に、足を動かすのではなく、右の腸骨を左に倒す感覚で動かし始めてみて下さい。それからそのままの感覚で、膝を左に持っていきます。全体重を乗せられているにも関わらす、重さを感じずに乗った人を左に運べたでしょう!!では、股関節を折り曲げて動かすようにして、同じように動かしてみて下さい。その人の全体重を足に感じるはずです。絶対に持ち上がりません。
逆に、右足を90度に曲げたまま左に倒しておきます。そこに同じようにして体重をかけて乗って貰います。右外側に倒します。同じ感覚で、右腸骨を右に開くように動かし始めて下さい。そのままの感覚で膝を右外側に倒します。ちゃんと右側に運べましたか?
さて、足を左右に動かしました。では、前後に動かしてみましょう。両手を後ろについて座ります。足を軽く開いて、膝を90度に曲げておきます。ちゃんと出来るようになれば、伸ばしたままでも出来るようになりますが、まずは曲げてやりましょう。右膝に体重をかけて胸で押さえて貰います。足だけの力で上げようとしても上がりません。先ほど話ししたように、右の腸骨を内側に軽く持ってくるようにしながら、仙骨を12時の位置にして下さい。腹筋の外側に力が入ると仙骨を12時の位置には持って来られませんよ。注意して下さい。持ち上がりましたか?
今度は後ろです。腹臥位で寝て下さい。やはり膝は90度曲げておきましょう。右足の裏に体重をかけて乗って貰って下さい。右腸骨を内側に倒すようにして仙骨を6時の位置にします。可動範囲が少ないので少しでも上がればよいです。
股関節を固定して動かすという感覚がつかめてきましたか?これが出来れば、次は手を動かす事が出来ます。これはまた次週と言うことで・・・・。
岸 元(きしはじめ)

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