牡蠣はそのまま食べても美味しいですが、燻製にしたり、オリーブオイルに漬け込んだり、はたまたオイスターソースとして優れた調味料として活躍したり、非常に幅広く役立つ食材です。そういえば、韓国のキムチにも生の牡蠣を使いますね。
欧米ではRのつかない月には牡蠣を食べるな、という言葉があります。Rが付く月はSeptember(9月)~April(4月)で、この時期が牡蠣の季節というわけです。つまり、牡蠣の旬は冬、ということです。
なぜこのようにいわれるのかというと、まず第一に、これ以外の月は産卵期にあたるので食べても美味しくないことがあります。逆にRの付く月は産卵に備えて、体内に多くの栄養を貯蔵するため、栄養的にも「海のミルク」と呼ばれるほどに滋養豊富なとなります。
もう一つは牡蠣だけでなく一般的に貝はプランクトンを常食しますが、夏場は海水が高温になり、海水中のプランクトンが活性化するため、有毒なプランクトンも大量に発生します。貝類は海水と共にプランクトンを取り込み、有毒物質を蓄積する事があります。これがいわゆる「貝毒」と呼ばれるもので、夏場は特に気を付けなければなりません。
ところが、夏場に旬を迎える美味しい牡蠣があります。これが「岩牡蠣」です。主に日本海の北側で取れる牡蠣で山形、新潟、秋田が産地です。一説では鳥海山から流れ込む冷たい水が岩牡蠣を美味しくするということです。
日本の市場に流通している牡蠣は、そのほとんどが養殖の真牡蠣ですが、この岩牡蠣は夏が旬。身も真牡蠣の3~5倍もあるので食べ応えのある牡蠣です。夏に冷たく冷やした滋養分たっぷりの岩牡蠣をほおばる。最高の贅沢です。
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