ウイスキーの熟成に欠かせないのがホワイトオークで作られたバレルと呼ばれる樽。ウイスキーのゆりかごともいわれます。ワインを蒸留したばかりの原酒は透明ですが、熟成が進むと共に樽に含まれるタンニンなどの成分が透明な原酒と溶け合い琥珀色の色に染まります。
オークは日本では、柏、ブナ、ナラの類の木と訳されるが、イギリスの国樹であるオークは日本でいうミズナラに近いもの。大木になる種類の木で、良質の木材が取れる。
オークは植林してから樽の用材となるまでに100年かかるとされます。樽になったオークは約50年間ウイスキーの原酒と共に眠り、そのあとは解体され家具として再出発します。ウイスキーの樽で作られた家具は、そのウイスキーのしみや釘の跡など独特の風合いで人気があるとか。ほのかな酒の香りもうれしい。
もともとホワイトオークは良質の家具材としてヨーロッパでは珍重されているもので、しかも、樽に用いるオークはその中でも樹齢100年以上の大木。贅沢に柾目どりされた樽の廃材は格好の家具材となるわけです。
ちなみに板のとり方は、柾目どりと板目どりがあります。板目どりは、木材をそのまま横にスライスしたようなとり方で、比較的細い木材から広い板材をとる方法。対する柾目取りは中心から外側に向かって木取りをするため、大木で無いと十分な幅が得られない。しかし、柾目どりされた板材はそりが無く木目が揃って美しい用材となる。
ところで、木材としては100年以上の使えるのに樽としてはなぜ50年しか使えないのか?それは、樽として役目を果たすには、オークに含まれる成分が溶け出す必要があるから。木材としては100年以上使えますが、成分が溶け出しきるのは50年なのです。