離婚後、新しい出逢いを求めてマジメ系お見合いサイトに登録した私は、それまでの人生にない驚きに遭遇する。
自身の写真は掲示せず、子どもがいることを了解して頂ける方、誠実でマジメな愛を育んでいきたいこと、「寂しがり屋なので遠距離は無理、近くの方を希望します」の3つをポイントに、自分の情報を公開した。すると、登録したその日に、申し込みメールが続々届いたのだ。その数にも驚いたが、もっと驚いたのは、私に申し込んできた男性陣の「質」である。
相手の年齢はみな私より年上で、最高齢は50歳代。まあ、年上ということ自体は特に問題はない。そしてほぼ離婚歴があったり子どもがいたりする。私も同じなのだから、その点も問題はない。問題は、「顔」である。私は決して面食いではないし、男性のルックスに関しては寛大であると思っていた。見た目よりも、性格や相性を重んじているつもりだった。でもそれは、ある程度の見栄えを無意識に選別した上でのことだったのだろうか。
半分以上の方は写真付きで申し込みをされるのだが、とてもじゃないけれど恋愛の対象にはなりえない、揃いも揃って「ゲー」な人ばかりなのだ。しかも、遠距離無理と希望しているにも関わらず、全国各地から「ゲー」な男たちが申し込みをしてくるのだ。
よくもまあ、この顔で写真を公開できるな、と思ったのだが、そこには理由があった。写真をみたらとても交際する気にはなれないので、写真のない人の情報をみて、申し込みを受けたとすれば申込者に費用がかかる。その後、メールのやりとりや写真を交換して断られるより、最初からみせておいた方が無駄な手間が省けるというものだ。あるいは焦っているのかもしれない。
どちらにしても、私は心底悲しくなっていた。私のスペックは、こんな「ゲー」な人にしか申し込まれないほど落ちぶれているのだろうか。人が振り返るほどの美人ではないにしろ、まだまだいけているわよ!と鏡を見ながら自分に言い聞かせるしかなかった。
本城愛子
投稿者: 本城愛子
[02]離婚後、まずは見合いサイトに登録
崖っぷち三十代。再婚を切望する39歳シングルマザーの私が、大手結婚情報サービス・オーエムエムジー(オーネット)に思い切って入会した背景には、離婚から1年数ヶ月間に得た苦い経験があるからだろう。
昨春の離婚直後、まず私がしたことは、インターネットの恋愛・結婚系サイトへの登録だった。ひとくちに恋愛・結婚サイトといっても、若い世代御用達の軽いノリのものから、いかがわしい不倫援交系など色々ある。私が登録したのは結婚情報サービスが運営するお見合いサイト。
このシステムは、気に入った相手に申し込みをして、相手が了解なら申し込みをした方が費用を要するというものだ。割と多くみられる課金システムのようで、申し込まれた方に費用は発生せず、女性から申し込む場合は金額が安く2000円、男性は3000円だ。メールのやりとりはダイレクトではないため、お互いのメアドや素性が知れることはなく、気に入らなければ相手を「削除」することも可能。
また、会う段階では、望めば身分証明を無料で確認してもらえる。公開情報は、居住都道府県、出身地、学歴、職業、年収、身長、体重、結婚歴、血液型、飲酒、趣味、自己紹介、相手への希望。また、写真の公開が可能で、自分から申し込む時にのみ写真を公開するという選択肢もある。空欄でも登録可能で、どのように身分を証明させるのかは知らないが、公開する情報の信憑性は定かではなく、本人の良心などに委ねられると言えるだろう。
ここで相手を検索しながら、驚きとともに、私は少しずつ自分の置かれている状況のまずさを思い知ることになる。ひとつは、男性が許容範囲とする女性への年齢だ。許容年齢を書く項目はないのだが、年かさな女性や子持ちを牽制して希望欄に記している男性もいる。
未婚者の登録も多いので、当然のことと言えば当然だ。出会う前からあからさまなリスクを背負うことはないだろう。写真を掲示している人もいるのだが、その顔で贅沢なこと言うなよ!と突っ込みたくなる顔も多い。ともあれ、スペック的に不利な条件にもかかわらず、登録日に早速、申し込みのメールが続々と届いたのだ。なぜに?!
本城愛子