[14]サンマリエ入会者に会う。

先日、二十数年ぶりに偶然、再会した同窓生(女性)とランチをともにした。彼女は未だ結婚歴のない独身で結婚相手を探していると言い、どのように探しているのか聞くと、結婚情報サービス「サンマリエ」に入っている、と。
サンマリエは私が加入しているオーネットの競合であり、会員数はオーネットが多いとスタッフがPRしていたが、負けず劣らずの大手である。私もオーネットで結婚相手を探しているのだと告白し、私たちは年甲斐もなく?一気に結婚したい話で盛り上がった。また、彼女はオーネットに加入していた経験もあると言う。そこで、オーネットとサンマリエの違いについて聞いてみた。
オーネットは、ほぼ紹介書でやりとりが交わされるのに対して、サンマリエは小規模のお見合いが頻繁に開催されているらしく、まず最初に会ってみてから個人情報がいくのでその点がいい、と彼女は言っていた。どのくらいの頻度でお見合いがあり、どのようなシステムなのか詳細までは聞けなかったが、両社を知り、比較できる彼女はそう言う。
まあ、オーネットにも小規模なお見合いは頻繁にあるので大差ないような気もするのだが。ちなみに、オーネットでは40万近くを払い、4?5ヶ月で退会して10万ちょっとの返戻金があったそうで、現在のサンマリエは20数万円払ったそうだ。
ところで彼女は同時に4人の人の連絡先を確保してメールのやりとりから始めているらしく、その行動は、アメリカ人が著書の有名な恋愛マニュアル(タイトルは忘れた)に基づいているらしかった。たとえば、最初のデートは2時間以内など、細かいアドバイスを忠実に守っているそうだ。
4人のうちの一人とは会う前に長電話をしてしまったと言い、マニュアルに反してしまったと嘆いていた。また、その長電話の大半は沈黙が続いたとも。電話で沈黙?!4人と同時進行も、マニュアルに沿った恋愛も、電話で沈黙も私には別世界の話としか思えず、不思議な世界があるものだ、と私は感心した。
「私って恋愛運がないの」と彼女が言った言葉が妙に説得力があり・・・。結婚はもとより、恋愛にまで至らない男女が集い、結婚市場は盛況しているような気がしてしまったのだ。
本城愛子

[06]解放、バンザイ!

自分の意志によって行動していると思うことでも、実際はそうでないことがおおい。
「意志あるところに道が開ける」というが、「意志なきところに道が開ける」としたほうが確かかもしれない。
男は、男らしくならなくてはならない。社会は、ずっとこのように説いてきた。男として生まれたからには、男らしく振舞わなくてはならない、というのだ。半分だけの、檻のなかに入れと。
バカバカしい話だが、彼らは意識的に手錠をかけていく。無邪気に泣くことも、笑うこともできず、それで本当に幸せかね?心に嘘をついて強がり、寡黙と呼ばれることがあなたたちの目的かね?男らしさの檻のために、どこまで自分を売り飛ばせば気がすむのかね?
自分を取りもどしたいなら、幸せを得たいなら、無邪気でありなさい。笑いなさい。泣きなさい。怒りなさい。自己表現をしっかりなさい。
あなたがたのいう強さというものが、本物であるならば、無邪気な自己表現をすることもできるはずだ。
いや、ちがう。彼らはできやしない。偽者の強さにへばりつくあまり、真の強さをうしなっている。
彼らは、寡黙になっていく。活動的であることが特徴のはずの彼らが、大人しく、元気がない。抑えつけられている。檻のなかに繋がれ、孤独のなかで枯れていくばかりだ。
女は、解放がすすんでいる。精神解放はなされようとしている。放たれたのだ。今更、女が一歩さがって男についていくかね。黙って、家庭を守るかね。
そんなわけがない。彼女たちは選択権を得ている。自分の好きな道をえらぶだけの、権利を勝ちえたのだ。
男はどうするね。今後とも、過去の亡霊にとらわれて、憑依されたまま生きつづけるかね。女にへつらい、ご機嫌をとりつつも。女は、男が脇役でいてくれることを願っている。自分を際立たせるための都合のよい存在でいてくれたほうが、ありがたいに決まっている。かつて男が、女を都合よくしたように。
笑うときは笑うがいい。泣きたいのを堪えたいなら、堪えればよいだけだ。大事なのは、時々で、選択権をもちうることだ。男だからといって、なぜ言動を強制されなければならないかね。それより、男女に縛られない、自由が欲しいとは思わないのかね。
権利は、主張しなければ勝ちえることはできない。真の強さをもたなければ、けっして手にすることはない。
椎名蘭太郎