[11]私達の出会い(後編)

次のレベルは残念ながら同じ先生ではなく、他の先生になりました。でも、隣のクラスで授業をしていたので、授業後、クラスメイト達と一緒に先生とお茶に誘ったりしていました。
その頃、私は家の事情で実家(大阪)に帰ることになっていました。東京へ戻ってくるのはいつかわからないという状況でした。それならデートをしようということになり、先生と2人きりでデートすることになりました。
大阪へ帰るまでの間、数回デートをしているうちに、気持ちが急に先生のほうへかたむいていきました。でも、私は大阪に帰らなければいけないし、どうしたらいいのかわかりませんでした。
結局、先生の思いを持ったまま、大阪へ帰った私ですが、先生は毎日メールをくれ、電話もしてくれました。離れていると会いたい気持ちが強くなって1泊2日で東京へ行き、先生と会う事もありました。また、先生も大阪に会いに来てくれたりと遠距離恋愛が始まったのです。
一度、私は遠距離恋愛で失敗しているので、このままではまたダメになってしまうだろうと感じ、再度、東京で暮らすことになりました。私が東京に戻ってからは本格的にお付き合いすることになりました。前に通っていた英語学校へ行くのを辞めました。
特に交際を禁止しているわけではないのですが、私が先生と付き合っているのを他の生徒さん達に知られると、生徒さんの気持ちもなんか害するのかなぁと思ったのです。まぁ、英語は自分で勉強して、わからないことがあれば、彼に聞くということにしました。
外国に住んでた頃は外国人とデートしたことはありましたが、日本では外国人とデートをしたことがありませんでした。びっくりしたのは、私が会社へ勤めていた頃、週1回、彼とランチをすることになっていたのです。待ち合わせの場所に行ってみると、彼は花束を手に持って待っているのです。とっても嬉しかったものの、その花と共に会社へ戻らなければいけません。オフィスに戻ると、みんなから、「どうしたの?その花束は?」と質問攻めでした。
綺麗に咲いていたお花は私が帰る頃には少しグッタリしているようでした。あと、彼は必ず、デートの後、家の玄関まで送ってくれるのでした。(その後、彼は電車に乗って帰らなくてはならないのに)
今考えると、あの英語学校を選んでいなかったら、今の私は全く別の人生になってたことでしょう・・・
谷川ともみ

[03]アカサギに騙されたと気づいてから

疑惑はあったものの、その男に騙されていたと自分が認めるのに約6年かかってしまいました。なぜ私はアカサギに騙されてしまったのか!?
★恥ずかしくて誰にも言えないと感じていたので誰にも相談できなかったこと。
★自分自身が相手に疑いを持ちながら、どこかで信じていたかったこと。
★自分がこの現実を認めたくなかったこと。

何より自分が認めたくなかった事が、一番大きい原因だと分かっています。自分がこの事実を認めることが出来たのは今年の7月。自分の全財産を騙し取られ、これから私はどうやって生きていこう・・・私が貸したお金が返ってこないと知った今、どん底な気持ちになり、自己嫌悪に陥りました。すごく悔しくて悔しくて、自分が情けなくて情けなくて、騙された自分が悪かったのだと思いました。もう、あんな奴と二度と会いたくもないし関わりたくもないと思いました。
それでも、生きていかなければならない。子供を育てていかなければ・・・と、毎日食べるために働きながらいろいろこれからの事を考えていました。その間に思ったんです。「私が、二度と会いたくないし関わりたくもない」と思うことは、アカサギの思うつぼではないのか・・・と。
このままではいけない。全額回収は難しいとしても、このまま私が泣き寝入りしてしまっては、アカサギの思う壺になってしまう。私は、奴にとっての本当の『都合のいい女』になってしまう。
あれから約2ヶ月、やっと自分なりに冷静な気持ちになることができ、その男の素性を以前から知っていたというある人物と面会することになりました。その人は、「とにかく少しずつでも返して貰う方向に話を進めるのが最善の方法だろう」と助言をしてくれました。幸いそのアカサギは、身を隠したりすることもなく堂々と同じ場所に生活をしています。
正直なところ、これ以上アカサギとなんて関わりたくない。だからといって泣き寝入りなんてしたくない。警察に届出ると言っても、被害の証明をすることは、詐欺事件の中で「アカサギ」が一番難しいのが現実。それでも、私は絶対このままでは終わらせたくないと思っているし、私が騙し取られたお金は私がコツコツと子供たちの為に節約しながら貯めてきたお金。このまま泣き寝入りなんてしたら、私も子供も路頭に迷うことになってしまう。私の大切な家族を守らなければ・・・
そう思った今私は、私の大切な家族を守るため、私が被った被害の回復を実現するために長い戦いを開始することにしたのです!!!そして、私のこの戦いがベストの形で進んでいき被害回復が実現できたならば、同じような経験をした女性たち、今現在アカサギだと知らずに恋愛をしている女性たちへのメッセージとして泣き寝入りしないで!!と叫びたいと思っています。
早乙女夢乃