[129]アルプス地方の味

初めてフランスに来たのは1987年の9月、場所はアルプス地方オート・サヴォア県。私の住んだ寮の5階の部屋からは目の前にサレーヴ山というロッククライミングではちょっと名の知れた山が見えた。アルプスは私のフランス生活の出発点だからここに対する思いは特別。
17年ぶりにアルプス地方へ行った。行ったのはサヴォア県のサン=ソラン・ダルヴズというスキーリゾート。アルプス地方は世界的に有名なスキーリゾートが多いけど、夏場まで観光客を集客できる程に魅力があり設備が整った場所はやはり一部に限定されているような気がする。この村もそう。海抜1600キロ以上の高山で景観は良いのだが、冬季のスキーシーズンに合わせた設備はあるけれど、夏山を楽しませてくれる設備が少ないぞ!スイスなら夏山に合わせてハイキングコースもしっかりしてるしそれなりの観光客集客の努力してるよ。ここも頑張ってよ!!!!


オート・サヴォアで鍛えた黄金のふくらはぎがこのひなびた村でハイキングを楽しめとせっつくから滞在中の1週間、毎日ハイキング。森で道に迷ったこともあったけどなんとか無事帰還。歩いている時は緊張してるからお腹が空かないのですが、帰るとグーグー。有り難い、ここはフランス、スイスの山奥と違って美味しいものはたくさんあるぞ。
今回のアルプスで発見だったのは、赤ワインの美味しさ。スイスもそうですが、アルプスの山の傾斜で作られる葡萄で作るワインはだいたい白が多く、赤は合ってもあんまり美味しくないというのが私の常でした。しかし、この村の食料品店で見つけたMondeuseモンデューズという赤ワインはブルゴーニュのガメイのような繊細は味わいでこの地方のチーズ、Beaufortボーフォールにとても合い毎日の食事が楽しく、ハイキング中に作った青あざやひっかき傷も忘れるほどに。
1週間ほどの滞在でしたが、始めは観光地らしくないとぶつくさ言っていた私も結局のところ本当のヴァカンスとは「何にないところで自然に身を任せて過ごすことなのかもしれない」と悟った気がしました。たまにはブルゴーニュの美食を忘れ、素朴なチーズとワイン、山地らしくドライハムに固めのパンと質素な食事が良かったのかもしれない。ついでですが、アルプスの白ワインは微 発泡で軽くて上手い!
気に入った赤ワインの造り手:Adrian Vacher
73800 Saint Andre les Marches, France
サン=ソラン・ダルヴズ観光局: http://www.saintsorlindarves.com
夢路とみこ