[128]ワインで村興し【2】

ブルゴーニュ南部のワイン産地が元気いいぞ!ボーヌから南にボージョレに向かうまで続くコート・ド・ボーヌやコート・シャロレーズ、マコンは美味しいワインを造るけれどどうしてもボーヌまでの著名ワイナリーに押されていまいち知名度がそれ程ではないという印象を受けます。近年は新世界と呼ばれる南米や東欧、豪州や米国の安価で美味しいワインの影に追いやられている感じさえも。しかし、この地区の造り手が立ち上がった。
最近のフランスはとにかく「トレッキングブーム」らしく森だけでなく葡萄畑の中も歩く団体を良く見かけます。数年前に船の事故で足を悪くした私もジョギングの代わりにトレッキングにはまっています。葡萄をつまみ食いしながら歩きます。ボーヌから南に20キロ程の所にあるノーレイ村では毎年開催している Cep au Verre「葡萄の苗木からグラスまで」という夏祭りの一環に試飲トレッキングを今年から入れだした。定員は80名、第一回目の参加者は76名というから結構なものでした。参加費は僅か10ユーロ。


8月第2日曜日午前9時村役場の前からスタート。参加者にはグジェールというチーズ味シュークリーム、サンドイッチ、リンゴとミネラルウォーターのお弁当にこのトレッキングのメインである「ブルゴーニュに関する質問表」が配布されます。2キロ毎に造り手さんがご自慢のワインを持って私達を迎えます。そして自分の畑の前でワインを注ぎながらワイン作りやブルゴーニュの歴史について語ります。この話の中に上記質問表の回答が含まれているので耳をそばだてて聞き入ります。辞書を忘れた私は質問の主旨が分からず専ら飲みながら畑の写真を撮るばかり。
質問表は埋められなかったけれど畑の前でそのワインを飲みながら造り手の苦労話を聞くのは感無量です。みんなワインが好きで作っているというのが良く分かります。10キロの道のり、ボーヌ丘陵地帯と呼ばれる一帯だから坂も多い。足が悪いから一番のろい私を皆が「頑張れジャポン!」と励ましてくれた事も嬉しかった。
皆で揃ってゴールインしたのは午後4時ごろ。質問表の集計があり全問正解者の数名はマグナム(1.5リットル瓶)のワインを貰い、参加者全員がこの村で作るクレマン(という発泡ワイン)を貰った。このクレマンは村役場管理のもと製造販売され、収益金でこの村の老人ホームの維持費にしているそうです。こころ温まる話ではありませんか。来年は皆さんも一緒に参加しませんか?
ノーレイ村観光局: http://www.nolay.com
夢路とみこ
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