[318]パリでごはん(7)

1区のマルシェ・サントノレの広場の一角にあるこの「シーフード」の店は牡蠣を始めとしてシーフードが安く食べれるとガイドブックで見て早速出かけてみました。この周辺で魚屋は一件しかないし、目立った看板があるのですぐ分かると思いますが。この看板もなぜかしら葛飾北斎の絵のようなもので、「お寿司」「お刺身」から来る日本食ブームに乗せてこれにしたのかどうかは知りませんが。
外から見るとただの魚屋にちょっとしたイートインコーナーみたいなテーブルと高椅子がある程度ですが、これが奥にはいるときちんとしたテーブル席があり、レストランのような雰囲気になっています。だから、店頭のテーブルに人がいっぱいで「入れない」と諦めてはいけません。確かにランチタイムは混んでますが、それでも奥に入ればお席があります。
ここは魚屋だけあってとにかく新鮮、だから別にBREのつかない月でもおいしいんでしょうね。ここのお勧めはFormule Expressという牡蠣6個にミュスカデというロワールの白ワインがグラスでついているものなんですけど、これ、思っていたよりもおいしかったので私のグルメノートには花丸です。
通常このような安い「お試しメニュー」になると安い分、いまいちなワインしかでないのですが、びっくり。普段はあまり好きでないロワールの白ワイン、シーフードにミュスカデが合うことは知っているけど、それでもあえてボルドーのアントル・デュ・メールなどを好むので、ここで出されたミュスカデにはにんまりしてしまいました。もちろん牡蠣もフレッシュでおいしかったし、ご丁寧にポワラーヌのパンが付いてくる。これポイント高し。
牡蠣のメニューはこの他に自分でアラカルトに選べて6個と1個、サイズも一般的な3番から巨大といわれる0番まであります。
このお店は毎週火曜日から土曜日までランチタイムとディナータイムに食べれます。金曜日と土曜日のみ午後10時までやっていますが、それ以外は午後7時まで。週末は付近のワインバーもかなり混むので、やっぱり午後でランチタイムをちょっと遅らせた静かな時間帯が良いようです。ワインもロワールのみならずいろいろあるので試してみる価値ありかも。
こちらもご参考にどうぞ
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/51810374.html
夢路とみこ

[317]パリで家庭料理を学ぶ

パリで家庭料理を学ぶと言っても日本とフランスでは食材が違うんだし、フランス国内でも大都市パリと地方では集まる食材も違います。それは日本でも都心に住むのと地方で住むのとではやっぱり違いがあります。日本で外国製品を購入しようと思うと関東ならやっぱり麻布インターナショナル、成城石井、紀伊国屋まで行かないとなかなか揃わない。フランスでも同じこと。ディジョンに住んでいたころ、テキサスでよく作っていたペカンパイを大好きなあの人に作ってあげようと思っても、このパイに必要な材料のモラサスシロップが売ってない、パリのボンマルシェのグルメ館まで行かないと買えないのよ、と泣いたことは何度も。
マダムの料理教室はこれといった固定メニューではなく、その季節、その日の食材の仕入れ状況で何を作るかが決まるよう。だからレシピもなく、マダムからその場で本番ぶっつけで教えられるものを体感で覚えるという料理教室のようです。
シャンブル・ドットでも一部のお宅では料理教室が出来ますが、それは宿泊者を対象にしているので外部からの申し込みは難しいですが、マダム・ミリアムは料理だけを受講する人を対象にしているので申し込み安いのは確か。シャンブル・ドットでのお料理はやはりそのお宅のマダムやムッシュの出身地の郷土料理を中心に教わります。やっぱり得意料理ですからね。パリでの滞在を料理教室尽くしでいろいろ経験して見たい人には、シャンブル・ドットに泊まってそこで郷土料理風の家庭料理、マダム・ミリアムのところでお洒落でフランスのエスプリにあふれるモダンな家庭料理、マダム・マルティーヌのフォアグラ教室、そしてコルドンブルーのような本格的なフレンチと組み合わせた包括的な料理滞在というのはどうでしょうか。
マダム・ミリアムの料理教室を見学していて、この日の料理はモロッコなどのイスラム文化の国々でよく食べられている家庭料理を紹介していましたが、フランスはヨーロッパにおいてイスラム教徒が人口の半分近くを持つ国です、伝統的なフランス料理の中のちょっとイスラミックな味付けは入りこの国の美食に新しい一面を発見するでしょう。また、マダムは調理のヒントを惜しげもなく教えてくれるので、そこだけでもかなりのお勉強でした。
こちらもご参考にどうぞ
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/51512922.html
夢路とみこ