[286]同居から独立生活へ(3)

2軒目の同居先を出たとき、もう一人の同居人の女性は私の最初の同居人の家へ、私は異業種交流会で知り合った人の所へ。交流会で合っている時は楽しい人だな、ワインが好きという所は私と合うと前向きだったのですが、いざ、一緒に生活してみるとすごいことに。これってどっかの出会い系のパーティで知り合って、付き合い出し、一緒に暮らすようになったという流れに類似しますが、私達はそういう関係でない分、金銭関係で繋がっている分、その不満と驚きが頂点に達したとき、簡単に退去する事が決められる、後ろ髪を引くものは全く無かったです。
まず何事もマイペースの同居人は他人への配慮というのは全くなし。自分が「今こうしたい」と思ったらすぐ行動に起こす、先にそれを使用している人が終わるまで待つ、という感覚は全くなし。音楽が聞きたかったら夜中だろうがボリュームを上げたいだけあげ、喋りたい事があったら、聞いている私が半分転寝してても喋る。週末のパーティは午前様、週末に早朝出勤があった時は隣の部屋から漏れてくる光と騒音で全く眠れず。冷蔵庫に保管していた私の食材は「入れたいものがあったから、スペースないから捨てた」と平気で言ってのける。2月に肺炎で半分別世界に行きそうになったときも全くしらんふり。ドア越しに「元気」と覗き込むのみ、医者すら呼んでくれなかった。
でも私の堪忍袋の尾が切れたのは、外出中の私の部屋に入っては換気だと言い窓ガラスを開けっ放しにして外出してたり、気分しだいで家賃をいきなり上げてきたり。税申告をしてない彼は賃貸契約書はもちろんのこと、毎月の家賃の領収書すらもしつこく言わない限りだしてくれない。出しても「これを公の場所に持ってゆくなよ」と念押し。
私の不在中に部屋に勝手に入ってくるのは共同生活としてルール違反。家族だって入らないのが普通なのに、とクレームをつけたら「ここは僕の家だ!」の一点張り。私はお金を払って部屋を借りてるのよ、と反論しても帰ってくる言葉はオウム返しのような上記の台詞。住みだして1ヶ月後にはもう、口も聞きたくなくなり食事も自分の部屋でするように。
最終的には向こうの方から、家賃の値上げを一方的に通告して来た時のように、「同居は止めたからさっさと出て行ってくれ」と。
ここに住んで約半年、限界に達してきたので新居を探し、出てゆくときは夜逃げのように友人の助けを借りて退去。独立生活に入りました。
夢路とみこ

[284]同居から独立生活へ(1)

パリに来て早くも2年半が過ぎ、相次ぐ同居生活中の不快感からやっと最近、独立生活へ。そう、ディジョン以来の一人暮らしです!以前にコロカシオンという題目でそのメリットを紹介しました。そのメリットについては今も同じように思っていますが、2年半のそして3人の同居人との恋人でもない異性との生活にはどんなデメリットがあるのかを考えて見ましょう。
恋人でもない相手ですから、相方の友人関係がいつも自分の交際範囲に入るとは限りません。共通の友達になれない場合も多いけど、同居人を訪ねて来るのに追い出すわけにはいかないし、長居されて就寝を妨げられても立場的に何とも言えません。真夜中に突然訪ねてこようが、明け方までパーティしようが、客の方もお構いなし。だって恋人じゃないんだもの、ただの同居人なんだから。
同居人を探す目的は幾つかあり、ただ単に部屋が余っていてちょっとしたお小遣い稼ぎ目的など。この場合、持ち家なら税申告をしてない、入居する側に対する保険に加入してないケースが多く、空き巣なんかにやられたとき何の損害賠償がない。よっぽど安全な住宅街で入館の警備がしっかりしている私の最初の同居人の家のようなところでないと不安。それは借りた車で事故を起こした時、何の保険も降りなかったという話に通じるものがある気がします。持ち家で申告してないから家賃を払っても領収書を出してくれない、滞在許可証やアロカシオンと呼ばれる家賃手当ての申請書類に必要な同居人側の書類も提供してくれないことも。
その家は持ち家ではなく、賃貸物件を借りている同居人から一部屋だけ借りた場合、これはコロカシヨンではなくスゥーロカシオンと呼び、私の最初と2度目の同居生活がこれでしたが。最初の同居人は上記の個人情報の書類が滞在許可証のみならず銀行の口座開設やその他、もろもろに必要なことを十分納得していたのでためらわずに用意してくれましたが、2度目と3度目はとにかくなんだかんだの理由をつけて渋るわ渋るわ、挙句の果てには口論近くになってやっと用意してもらいました。人の家賃を全部自分の収入にしたいがため。
最初の同居人との生活は1年半。楽しいことも、不快な事もいろいろありましたが、でもやはり1年半の同居は長すぎました。同居は仮の住まいとして、本当に腰を落ち着ける場所が見つかる前の数ヶ月の滞在が望ましいと思いますね。
夢路とみこ