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そんなこんなで、課長に直接かみついた私。
課長は結局いつものように「ちょっと待ってよ、山口ちゃん」などと言いながら、のらりくらりと逃げたので、私の怒りは頂点に達した。
私はその“怒りの最高峰”とも言うべき感情を自宅に持ち帰り、そのまま、派遣会社に電話した。
「こんにちは。課長と直接話し、もう辞めることにしましたので、契約書の書き換えと再発行をお願いします」我ながら“勝手だ”とは思ったが、そうせざるを得なかった。
もちろん担当の営業はビックリし、「本当の話ですか?それはかなりマズいお話しなので、明日早急にそちらにお伺いします」と言った後、“契約の決まり”を話し始めた。
「派遣先の担当者とスタッフが契約についての話し合いの場を持つ際は、必ず派遣会社の担当営業を間に入れないと成立しない」ということ、
逆に「その場で決定した契約は、例え口約束であっても(派遣会社の営業を挟んでさえいれば)書面がなくとも正式になものになってしまう」ということ、
そんな話しを延々と聞かされたわけだが、“結局は派遣先企業ベースでなければならない”そんなニュアンスが多く含まれていて、なんだか私は更にムカッ腹が立って仕方なかった。
つまり、彼の話しをまとめると、「いったん決めた契約(私の場合は9月いっぱい)を、私の独断で前倒しにするということは、殆ど不可能に近い。前倒しにしても致し方ないのは、スタッフ本人が病気で仕事を続けられない場合か、又は派遣先企業から前倒しの依頼があった時のみに限られる」といった内容だった。
「ずいぶん回りくどい言い方。“スタッフのため、スタッフが第一”なんて言う割には、今まで何1つ動いてくれた事ってなかったじゃないですか。なんだかこっちの方が不利ですよね。私は辞めたいんですけど!」そう突っぱねて、その日は電話を切ってやった。
その後、うちの会社にすっ飛んできて人事と話し合った営業は、「どうしても嫌だということであれば、病気という扱いにすることもできますが、どうしますか?しかし、課長も人事の方も“山口さんには続けて欲しい”とおっしゃってます。体制を見直すとも言ってくれてます」
「辛いとは思いますが、なんとか続けてもらえませんか?」そう何度も言われ、私はうなずくしかなかった。
とても強く思うことがある。
正社員だって、派遣スタッフだって、アルバイトだって、みんな同じだ。ただ金が欲しくて働いてるだけじゃない。きっと誰でもその場所で何か探したくて、働いているのだと思う。でもそういうものはなかなか見つからない。だからせめて、楽しく働かせてくれてもいいじゃないか。
立場が変わったことにより働きづらくなってしまう、自分1人の力では変えられないそういったことに、文句をつけるのはいけないことなのか。
“体制”が元に戻っても、私の“気持ち”を元の状態に戻すことは果たしてできるのだろうか。わからない。
派遣で長期で働く場合、契約を更新するか、終了するかの確認を派遣会社が取ってくるのは、契約満了になる約1カ月前だ。
最後の最後にトラブッて、私のような嫌な思いをするスタッフがいないよう、祈るのみである。
2002.05.31