[58]お弁当

2019年3月21日

第58回
■お弁当
何と云ったってお昼のお弁当は楽しみなものです。当時は教室の窓辺にはスチーム暖房が付いていました。そして其の暖房の上に金属の箱が付いていて、中が三段くらいの棚があり、そこに各人が持ってきたお弁当を乗せて蓋を閉めて置くんです。冬は蒸気が通りますから、入れて置いたお弁当が時間までには丁度よく暖まっているんです。
そして僕たちは包んであるハンカチを取って・・ソーッとお弁当の蓋を開けて覗くんです。嬉しそうな顔だのガッカリしたような顔だの色々です。当時は学校給食の制度がありませんでしたので、それぞれの家庭の事情で子供達のお弁当のおかずがまちまちだったのです。
子供の数の多い家庭のお母さんは、子供達のお弁当を作るのは大変だったと思いますよ。ですからたまにはお弁当の中にはご飯だけしか入れて無かったこともありました。その時は母親から10銭貰って、「おかずは自分でこれで買いなさい」と云われたりするんです。
大抵学校の前には文房具なんか売っている店がありますが、そこで「食パン」だの「コロッケ」や「トンカツ」を揚げて売っていました。「食パン」は全然弁当を持って来なかった者がチョコレートやクリームとかジャムとか塗って貰うんです。ご飯だけの者は2個10銭の「コロッケ」か1個10銭の「トンカツ」をおごります。
こう云うことが出来る子は幸せです。みんなが教室でワイワイ言いながらお弁当を食べて居るときも、そっと教室を抜け出して、誰もいない校庭の片隅で水を飲んでいる子もいました。貧乏でお弁当も持たして貰えなかった子でしょう。現代は学校給食で誰でも同じ物を食べさせて貰える様ですが、見えない所で、給食費が払えない家庭もあるそうですね。
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