[62]厳しかった担任の先生

2019年3月21日

第62回
厳しかった担任の先生
此の先生は卒業するまで替わりませんでした。お年は聞いていませんので分かりませんが、少し白髪交じりの髪だったと思いましたし、お子さんが私達より二級したに在学していましたので、恐らく私の父くらいのお年ではなかったかと思いますが、現在もし健在であるならば百才を超えていると思います。
前にも書きました通り、悪さをする生徒には、机ごと廊下に出してしまう程激しい気性でしたが、その反面非常に教育熱心で次代を担う生徒だから・・と云う認識で教育されたと思います。
ある時こんな事がありました。四年生だった頃と思いますが、先生が朝教室に横1mくらいで高さ50cm位の大きさの何かの木の根ッ子のような白い額のようなもので、下に足が付いていて飾ることが出来る様になっていました。
それを教壇の上に置くと、硯を出して墨を摺り始めました。見ていると其の木の真ん中に大きく○を書き、その中に「一心」と墨痕鮮やかに書いたのです。
そしてそれを教壇の隣の別の机の上に置き、ついたての様に生徒から見えるように置きました。
そして全員を起立させ『僕たちは、一心に、一心に勉学しよう』と斉唱させたのです。ここから卒業するまで毎日起立して斉唱しました。
又、六年生に成ったばかりの時でした。ある日先生が朝普通のソロバンを持って来ました。すると出欠を取った後、いきなりそのソロバンを教壇の机の角にぶつけて、ソロバンをバラバラに壊してしまったのです。
そして、飛び散ったソロバンの玉を『みんな1個づつ拾え』と云いました。生徒は1個づつ拾って席に戻ると、『みんな其の玉に糸を付けて、いつも首に掛けておけ』と・・『此の玉は先生の精神が籠もっているものだから、それを忘れずに居ろよ』と云われました。
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