住んでいたアパートの隣の男子学生と仲良くなっていてクリスマスも二人でさみしく楽しく飲んだこともあるほどだった。その友人がバイトしているバーがあるというので行ってみようということで行ってみた。
そこには一人でバイカーらしき人がいた。この人が自分に大きな岐路を与えてくれる人になる。バイクの話で意気投合しハーレーのディーラーを紹介してくれるというので喜んで話に乗った。それから連絡を持っていたが向こうは仕事で忙しいので仕方なかった。そんな時、フラフラとバイクで走っていると偶然信号待ちのところで横を見ると店があった。場所もまったく知らないところで偶然だった。急いで店に行き知り合った人のことを話すと話が通じてハーレーを見せてもらえた。
お客さんなどが来るたびにたまらない排気音をうならせていく。目の前であれを見るともう普通のバイクに乗れなくなる。それから毎日悩んだ。お金をなんとかしてでも乗るべきか。知り合った人と店長と店員さんと話していると「君ならなんとかなるよ!」「俺も学生で買った!」など言われるともう大丈夫と勘違いし店を訪れて二週間後には買ってしまっていた。契約書にハンコおしたときのことは緊張して覚えていない。それほど貧乏学生にとっては高級な買い物だった。ここからハーレーライフが始まっていく。
ハーレーの件が一段落し就職活動は順調に進み内定もたくさんとっていった。茶髪、ピアスの状態で行ってしまった大手企業もあったが見事合格していた。とにかく自分のやることには自信を持つタイプなので上手くいった。しかし、先が見えることが嫌いな自分は安定しか求めない企業は断っていった。少しずつ気に入った会社など見つかり気持ちが固まりはじめていた。中には年収800万くらいのところもあった。ここで事件が起きる。
病院実習が終わって次の日にドライブに出かけた。愛媛から山口経由で九州一周計画で出発していた。山口の途中で何か嫌な予感がしていた。見事的中。赤信号で停車していると後ろから時速60キロで追突された。首は見事にムチウチのひどい状態、腰は急性のヘルニアになってしまった。これを機に、岐路に立たされることになるとは事故当時思いもしなかった。
ソフテイル岩川