[094]添乗員さんのドレスコード
●今日は葉月ひまわりさんのコラムです。
■添乗員さんのドレスコード
毎年、夏になると、添乗先で必ずお客様に言われたこと、それは、「スーツを着るのが決まりなの?可哀想ねぇ~」という同情の言葉でした。
他社はどうだか分かりませんが、私が所属していた会社は、クライアントからの要望が無ければ、「華美ではないスーツ着用」というドレスコードがありました。
ふっる~い(化石になりそうな)先輩に言わせると、昔は、パンツスーツもダメだったし、スーツの中に合わせるのも襟付きのブラウスじゃなくちゃNGだったとか・・・。
私も、始めの頃は、たま~に嫌な先輩に言われましたよ。「そのスカート、短いんじゃない?かがむとパンツが見えそうよ・・・」って。まぁ、男性の先輩に言わせると「パンツ見えるくらいのほうが、俺は好きだ!!」となるのですが、それも個人の趣味によるところが大きいコメントでしょうね。
ジャケットが会社支給のところもあるようですが、ウチは、制服がなく、衣装は全て自前でした。スーツはともかく、すぐにダメになるのが靴なんですよ。移動の時、駆け足、早足が多い添乗サンのパンプスの踵は、すぐに磨り減ります。
幸いというか、偶然、私の実家は靴屋さんなので、この点はかなり助かりましたが、みんな、口々に「靴代は、金一封で支給して欲しいよね」と言っていました。
ほんと、「服装」には、アタマを悩ませていましたね。
「華美じゃない」という規定は、一見、とっても緩いようですが、それだけに、個々の見解がとても重要になります。
よく、外見で人を判断してはいけない!!などと言いますが、私に言わせると、外見は、人にとっての「包装紙」のようなものなんですよね。3足千円の靴下でも、きちんとラッピングすればプレゼントになるように、今は、パジャマで原稿を書いているダラリンとした私でも皺一つ無いスーツを着ればキャリアな添乗員に見えるということ。
そんなふうに自分を演出することも、添乗員の大切なお仕事の一つかも知れませんね・・・。
「すーぱー添乗員がゆく」NO.025(2001.08.05)発行より
葉月ひまわり